2025年7月25日(金)
きょうの潮流
5歳になるメスのミニチュアダックスフント犬を動物保護団体から引き取りました。人懐っこく、家では元気いっぱいですが、なぜか散歩には消極的。担当職員はこれまで散歩をしたことが無いのでは、と▼団体に保護された理由は繁殖犬の引退でした。ブリーダー(繁殖業者)の元で飼育され、繁殖を管理されてきたこの犬が、どのような状況に置かれていたのか気がかりです▼現行法は飼育施設や環境管理、繁殖方法などに基準を設定。繁殖回数も制限され、雌犬の生涯の出産回数は6回まで。交配時の年齢は6歳以下で、原則として終生飼育が求められています。しかし一部の悪質業者により、劣悪な環境で酷使された犬も少なくありません▼改正動物愛護管理法の成立から今年で6年。飼育頭数の数量規制をはじめ段階的に完全施行になりましたが、「殺処分が増える」「業者が廃業する」といった反対意見も。改正法を確実に実施する体制づくりはこれからです▼多頭飼育崩壊の問題も後を絶ちません。先月には保護活動を行う熊本市の女性の自宅で、100匹以上の猫の亡きがらが見つかりました。寄付やボランティアに依存し人員確保や財政基盤に困難を抱える団体も多く、都道府県や自治体との連携は不可欠です▼都内で保護団体を運営する理事長は、行政に対して譲渡のとりくみ支援や不妊手術への助成などの協力を求めます。動物たちの命を救うために尽力している人々を孤立させない。「人と動物の共生する社会」への道です。








