2025年7月18日(金)
イスラエル軍 シリア首都空爆
【カイロ=米沢博史、ワシントン=洞口昇幸】イスラエル軍は16日、シリアの首都ダマスカスで国防省や大統領宮殿近くを空爆しました。同軍は14、15の両日、シリア南部でシリア政府軍を攻撃していました。首都への攻撃は重大なエスカレーションです。
国連のグテレス事務総長は16日、報道官を通じて出した声明で、イスラエル軍の一連の空爆を非難し、「シリアの主権と領土保全への侵害を即時停止するよう」要求しました。
ロイター通信によると、シリアの医療関係者は、国防省への攻撃で治安部隊5人が殺されたと述べました。
シリア南部スワイダ県で13日、ドルーズ派とベドウィン(遊牧民)のそれぞれ戦闘員が衝突。シリア政府が14日、部隊を同県に派遣し、ドルーズ派戦闘員と衝突しました。イスラエルはドルーズ派を守ると主張し、シリア南部で政府軍を攻撃してきました。
13日以来の暴力による死者数は、シリア人権ネットワークによると169人、治安当局筋によると300人です。国連のグテレス事務総長は、先の声明で「市民に対するすべての暴力を非難」しました。
シリア政府は16日、南部での犯罪行為の責任を追及すると声明で述べました。
ドルーズ派の信者は、シリア、レバノン、イスラエルに広がっています。イスラエルのドルーズ派数十人が16日、国境フェンスを突破し、シリアのドルーズ派と合流しました。








