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2025年7月17日(木)

シリーズ 参院選勝利へ 基本政策から

選択的夫婦別姓・同性婚 どの党伸ばせば道開く?

 ジェンダー平等後進国日本の変革を求める運動は、あらゆる分野で粘り強く広がっています。参院選でどの党が伸びれば、選択的夫婦別姓、同性婚の実現への道を開くことができるのか考えます。

本気度 選挙公報で明記

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(写真)訴える田村智子委員長と吉良よし子選挙区候補(左)、伊藤和子比例候補=3日、東京・池袋駅西口

 参院比例の選挙公報で、日本共産党が「選択的夫婦別姓制度早期実現」を明記していることが注目されています。

 結婚時に妻の姓となったIT企業・サイボウズ社長の青野慶久さんは、X(旧ツイッター)で、日本共産党と社民党の選挙公報を画像付きで紹介。「選挙公報を見ております。#選択的夫婦別姓 実現を明記しているのはこの二党かな」とコメントをつけ発信。拡散されています。

 昨年10月の総選挙で、選択的夫婦別姓を阻んできた自民党が大きく議席を減らし、衆院で与党が過半数割れする中、28年ぶりに衆院で民法改正案が審議入りしました(5月30日)。当事者を含め2度の参考人質疑がおこなわれ、法案は継続審議となっています。審議では、夫婦同姓の強制が、アイデンティティーの喪失や経済的不利益をもたらしていることが改めて明らかにされました。この到達点を前に進め、実現に向けて展望を切り開くかが、参院選で問われています。

 秋の臨時国会での実現を願う当事者ら国民の願いにこたえて、日本共産党が「選択的夫婦別姓制度の早期実現」を選挙公報で明記したことは、この問題での本気度を示すものです。

 一方、自民党の選挙公報では、中田宏・比例候補が「夫婦別姓には断固反対」と明記しています。

人格権と結びつく氏名

 mネット・民法改正情報ネットワークによると、先の通常国会での選択的夫婦別姓に関する質問数は過去最多。本会議や予算委員会などで、共産党をはじめ、立民、公明、国民、社民、沖縄の風の各党・会派が賛成の立場から、自民の一部、維新、参政の各党が反対の立場から質問しているとしています。

 このうち、参院予算委員会での日本共産党の仁比聡平議員の質問に対し、鈴木馨祐法相が、「名、氏は人格権と結び付いたもの」と答弁したことが注目されています(3月26日)。

 仁比氏は、1898年制定の明治民法で、夫婦同氏が「家の呼称」として制度上義務化され、家父長的な「家制度」のもと、妻や子が無権利状態に置かれたと指摘。家制度は戦後の1947年の憲法制定施行で廃止され、同年の民法改正で「氏名は個人として尊重される証し、人格権の象徴に大きく変わった」と強調しました。

 しかし、戦後も、夫婦どちらかの改姓の強制が続いているとして、「名前は人権ではないのか」とただしたのに対し、鈴木法相は、氏名が人格権と結び付いていると認めたのです。

 望まない結婚改姓は人権侵害となり、救済のためには、改姓せずに生きていける別姓を選べる、選択的夫婦別姓制度が不可欠です。

暴論の反対勢力に反論

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(写真)日本共産党全国・全都女性後援会の宣伝で選択的夫婦別姓の実現を訴える人々=5月14日、東京都内

 「タムトモがいてよかった」―。Xでこんなつぶやきがあったのは、民放の党首討論での選択的夫婦別姓をめぐる発言に関連してです。参政党の神谷宗幣代表が、「別姓は家族関係を複雑にし、治安を悪くする」と根拠のない暴論で反対を表明。これに、反論したのが日本共産党の田村智子委員長でした。「女性の生き方や、自分の名前を『旧姓』にしたくないという思いを真剣に考えてもらいたい。まさにアイデンティティーにかかわることだ」

選択的別姓 自・維・参政が反対

 NHKの調査によると、夫婦の氏について、自民、維新、参政、保守の各党が、「夫婦同姓」を維持し、旧姓の通称使用を認める法制度を拡充すべきだと回答しています。

 国会の参考人質疑で、経団連の代表が、通称使用では姓が変わることによるアイデンティティーの喪失感を拭うことはできないと述べるなど、問題の解決にならないことが浮き彫りになりました。

 なぜ、改姓を望まない人にまで、改姓=夫婦同姓を強いるのか。維新の藤田文武衆院議員は、「家族の呼称としての意義がある」と述べています。(6月4日、衆院法務委員会)

 先の論戦で、日本共産党の仁比聡平参院議員は、氏の位置付けが、戦前の家制度のもとでの「家の呼称」から、戦後の憲法のもとで人権に変わっていることを指摘しました。姓名は人権だと法相も認めました。

 改姓による不利益を解決する道は、選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正です。参院選でも自公を少数に追い込むとともに、日本共産党の躍進などで制度導入をめざす議員を増やすことが必要です。

5高裁「同性婚認めずは違憲」

 戸籍上同性のカップルが法的に結婚できないのは違憲として、30人を超える性的マイノリティー当事者が国を相手に「結婚の自由をすべての人に」訴訟をたたかっています。

 これまでのすべての高裁判決(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5高裁)が、同性婚を認めない民法は違憲であると判断しています。日本共産党は、同性婚を認める民法改正を行うよう求めています。


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