2025年7月13日(日)
「排外主義NO」明確
増える共産党応援団
東京ボランティアセンター
![]() (写真)スタンディングに参加するボランティア=9日、新宿駅前 |
「堂々と差別発言をする政党が出てきたことに危機感がある」―参院選で外国人差別などをあおる主張が台頭しています。その中で、担い手を広げようと活動する「東京ボランティアセンター」に駆けつけ、排外主義に明確にNOを突きつける共産党を応援する人が増えています。
45歳の大学教員は9日、センターが呼びかけたスタンディングでビラ配りをしました。地域で再開発に反対するデモなどに参加してきましたが、選挙活動をするのは初めてです。「参政党が伸びたらまずい。そもそも政策が政策と言えるものなのか。発言もころころ変わる」と、参政党に違和感を抱き、ボランティアに参加しました。
教えている学生が「差別はダメだ」と言いながら「外国人は怖い」と会話しているのを聞き、危機感を表します。「共産党は100%支持じゃないけど、ここしかないと思った」と話します。
党の公式SNSで知ってセンターを訪れた会社員(32)は、女性の人権に対する抑圧や、ガザ侵攻を目にする中で「自分の中で関心や怒りの感情が高まってきた」と立ち上がった思いを語ります。人権や反戦を主張する候補者の姿を見て、投票先を共産党に決めました。
外国人による犯罪は2005年をピークに減少しているにもかかわらず、参政党は実態のない主張をしていると指摘。「映画で見たような戦争の時代の雰囲気を感じる。根拠がないものに対して熱狂したり、普通の人たちの生活とか人権が守られないような方向に行くのはすごく怖い」と話します。
党ボランティアの思い
選択的別姓「一番近い考え」
「2年前まで投票していなかった。政治や社会問題は人ごとで興味がなかった」と話すのは30歳の被爆3世。パートナーから日常的に選挙や社会情勢の話を聞き「分かりたい、知りたい」と思い、自分で調べる中で共産党に出合いました。センターに足を運び、駅前でビラ配りにも挑戦。一貫して戦争をしないと主張し、選択的夫婦別姓に賛成する共産党は「一番自分の気持ちに近いことを訴えている」と話します。
広島と長崎に原子力潜水艦をつくらせ、対馬を独立させて原子力潜水艦を持たせると主張した参政党・神谷宗幣代表の発言を聞いて、「そこに住んでいる人、つらい思いをした人のことを何も考えていない。言葉にならないくらい嫌だと思った」と話します。
36歳の女性は「ビラを折る、証紙を貼ることならできると思った」と話します。シーシャ(水たばこ)店で仲良くしている人が「日本はそのうち中国に支配される」と話すのを聞いたとき、排外主義的だと思いつつ何も言えなかったことから、できることをやろうと知人と一緒にセンターを訪れました。
参政党の政策を「最悪」だと一言で表します。子どもを育てたことをキャリアとして扱うと神谷氏が演説する動画を見て「本当に女性を心の底からばかにしている」と怒りをあらわにします。「新卒から35歳まで働き続けてきた人にも失礼。子どもを育てるのも大変だろうし、すべてを踏みにじっている」と話します。
排外主義が広がる背景について「物価が高くて世の中全体がどんよりとした雰囲気で、働いても自分が思ったより苦しいというのも無関係じゃないと思う」と話します。「自分の人生とか暮らしに不満があるから排外主義であったり、自分より弱そうな他者のせいにする思考回路に陥ってしまうのかな」とも。
「少し緊張するけど、スタンディングをやりたい」と話します。









