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2025年7月12日(土)

特異と補完 参政党の公約(下)

戦前回帰の「産めよ殖やせよ」

 参政党の「少子化対策」の目玉は、0歳から15歳までの子どもがいる家庭への月10万円の「子育て教育給付金」です。「一馬力でしっかり稼げて、女性が望めば、安心して家庭に専念できる『経済』支援」を掲げています。しかし、その考えの中心にあるのは「男性が稼ぎ、女性は子を産み、育てる」という性別役割分業です。同党の政策には、「出産」や「子育て」を女性の役割として推奨する傾向が強く見られます。

 神谷氏は「子どもを産み育てること。すごい社会にとっての価値だし、国家に対する貢献でもある」(4日、山口市)などとも述べています。戦前の「産めよ殖(ふ)やせよ」と同じ発想で国家への「貢献」を押しつけるものです。

「男女しかない」

 また、同党は選択的夫婦別姓や同性婚にも反対しており、自民党内の大勢と変わりありません。神谷氏は「男らしさ女らしさは一切否定しない。性は男と女しかないから」(同)などと述べています。性別にかかわらず個人の尊厳が大切にされ、自分らしく生きられる社会から逆行しています。

 参政党は日米同盟や日本独自の軍事力強化を訴えており、大枠は自民党と変わりません。ただ、具体論を巡る神谷氏の発言は、「プロゲーマーを集めてドローン部隊をつくる」(6日、ニコニコ動画)「(軍拡財源にするため)外国人への生活保護支給を見直す」(2023年5月25日、参院財政金融委員会)など、妄言レベルのものが目立っています。「予備自衛官」の経験を売りにしていますが、底が浅いのが実態です。

核保有も視野

 見過ごせないのは、核保有の可能性を示している点です。参院選公約に「核保有国に核を使わせない抑止力」を掲げています。これが何を意味するのか。参政党が23年5月に公表した「政策カタログ」には、「核戦略」を明記。「SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)保有などの可能性を含め日本の核戦略に関する議論を本格化」するとしています。なぜSLBMなのか。潜水艦に核兵器を配備することで「日本国内に核兵器を置かずに済むメリットもある」としています。

 このほか、自然保護を強調しながら「次世代原子力・核融合・新たな火力」をエネルギーの基本にするとし、「脱・脱炭素」などと温暖化対策にも背を向けています。(おわり)


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