2025年7月11日(金)
首相「オスプレイ役立つ」言うが
むしろ有害
石破茂首相は9日、佐賀市内で行った参院選の応援演説で「日本の防衛にも災害救助にも役に立つ」と述べ、陸上自衛隊佐賀駐屯地への垂直離着陸機V22オスプレイ配備を正当化しました。参院選の最中、欠陥機オスプレイの配備を正当化する重大な発言です。
そもそも、オスプレイは災害救助に役立つどころか、むしろ有害な存在です。
オスプレイは離着陸する際に翼の左右についているローター(回転翼)が地面に向けて大型台風のような風(ダウンウォッシュ)を生み出します。2015年4月、普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の米海兵隊MV22オスプレイがネパール地震の「救援」で飛来した際、現地の家屋の屋根を吹き飛ばしました。
また、オスプレイは離着陸時にエンジン排気口を下に向け、高温の排気熱を地面に吹き付けます。15年5月、MV22が和歌山県内の防災訓練に参加した際、排気熱で芝を焦がしました。16年4月の熊本地震に出動した際、離着陸地点の公園で排気熱による火災を防ぐため、放水を余儀なくされていました。
オスプレイは砂漠や山岳地帯などの過酷な戦地を想定したものであり、民間人を助けるために設計されたものではありません。
何より重大なのは、相次ぐ重大事故です。16年12月の沖縄県名護市沿岸部、23年11月の鹿児島・屋久島沖での米軍オスプレイ墜落は、いずれも一歩間違えれば集落に墜落し、大惨事を引き起こしかねないものでした。災害救助どころか、オスプレイ自身が深刻な災害をもたらしかねない―。そうした危険を佐賀市民だけでなく、九州全域にもたらすのです。








