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2025年7月11日(金)

きょうの潮流

 水の都、イタリア・ベネチア。歴史的な建物と運河をめぐるゴンドラにたくさんの人々が集います。その有名な観光地が貸し切り状態になりました▼米アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が70億円ともいわれる結婚式を行い、世界の大富豪や著名人を招待した祝賀行事は3日間も続きました。「彼にとってベネチアはもはや都市ではなく、私用のために貸し切り可能な巨大テーマパークのようなものだ」。そんな声も、市民からあがっています▼サンマルコ広場にはベゾス氏を批判する横断幕が掲げられ、その写真が本紙国際面に載りました。ノーベル経済学賞を受けた7氏が連名で「超富裕層に課税を」と訴えている記事とともに▼彼らの訴えは、所得税は「税の公正の礎」であるにもかかわらず超富裕層は課税逃れをし、平均的な納税者より税率は低くなっている。資産10億ドル超のビリオネアの富に2%の最低税率を課すだけで36兆円を超える税収増になると▼日本でもアベノミクス以降、富裕層は急増してきました。世界的な調査会社によると、昨年の資産100万ドル以上の富裕層人口は399万人にのぼり、米国に次ぎ2番目の多さ。過去最高益をあげている大企業とともに、こうした大金持ちに応分の税金を負担させることは消費税減税の財源にも▼極端な富の集中は社会に格差を広げるだけでなく、政治をゆがめ、経済成長を阻害し、環境問題を悪化させると指摘されています。不平等とのたたかい。それは、人類の進歩にかかわります。


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