2025年7月11日(金)
日常生活が犠牲に 保険外しやめて
OTC類似薬 厚労相要請
患者家族ら
自民・公明、日本維新の会が合意し石破茂政権が「骨太の方針」に盛り込んだOTC類似薬の保険適用からの除外を巡り、患者家族や全国保険医団体連合会(保団連)、NPO法人日本アトピー協会は10日、厚生労働省で保険適用継続を求める厚労相あての署名を提出し要請しました。
要請後、参加者は厚労省内で会見を開きました。
「薬を節約することは日常生活を犠牲にすることです」。そう強調したのは、難病の魚鱗癬(ぎょりんせん)のある息子(23)がいる大藤朋子さんです。魚鱗癬は先天的異常により皮膚のバリア機能が妨げられ、表面の角層が厚くなる病気。湿疹による強い痛みが収まるのに2、3カ月かかることもあります。2024年7月から翌年6月までに払った薬代約3万円は、保険適用の除外で約82万円になるといいます。治療法が確立していないため生涯この病気とつきあわなければなりません。「保険適用を外さないでほしい」と訴えました。
日本アトピー協会の倉谷康孝代表理事は、アトピー患者には「気の狂うようなかゆみや見た目による差別があり、引きこもりやうつの人もいる」と指摘。今後も必要で十分な薬の処方を受けられるよう、保険適用の継続を求めました。
保団連の本並省吾事務局次長は、密室協議で保険適用除外を決めたことは「看過できない」と主張。「参院選で争点にしてほしい」と話しました。
提出した署名は、患者が集めた8万8343人分と日本アトピー協会が集めた4万4130人分です。








