しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年7月10日(木)

きょうの潮流

 日本に払わせろ、中国は強盗だ。そう叫ぶと、聴衆は沸きました。工業がさびれ労働者が職を失っているのは不公平な貿易のせいだと何度も口にして▼最初の大統領選の時からあおってきました。トランプ氏の支持者といわれる地方に住む、低所得、労働者階級の白人男性を中心に。ここまで関税にこだわるのは彼らのような熱心な支持者にたいする「約束」だからでしょう▼トランプ米大統領が、日本からのすべての輸入品に来月1日から25%の関税を課すと通告してきました。一方的に。石破首相宛ての書簡には「貿易赤字を引き起こした長年にわたる日本の関税や非関税政策、貿易障壁を是正」するためだと▼この間、税金を使って7回も訪米した赤沢担当相はどんな交渉をしたのか。日本はアメリカにこれだけ貢献しているので言い分を認めてくださいという交渉の形が、トランプ大統領に刺さっていないと指摘する専門家も▼世界に皇帝はいらない―新興国らの首脳が集まる会議で、ブラジルのルラ大統領はトランプ政権の横暴さを批判しました。他国の主権を侵す無法なやり方を。日本政府もその立場で国際協調し、撤回を求めることが本筋ではないか▼足元では大洪水で多くの被害者をだし、日本車に関税をかけても米国の恩恵には疑問符がつきます。もはや一国だけで繁栄できる時代ではなく、手を携えなければならない課題も山ほど。政治をビジネスと捉えるトランプ政権。それに、はっきりとものが言える政府が日本に必要です。


pageup