2025年7月8日(火)
参院選 人権守る候補を国会へ
困難の責任転嫁 「少数者の排除」に警鐘
選択的夫婦別姓・同性婚 実現望む若者ら語り合う
参院選で人権を守る候補者を国会へ―。選択的夫婦別姓と同性婚の法制化を望む人たちが、「参院選における選択的夫婦別姓と同性婚。選べない日本の結婚の現状と未来を考える」をテーマにしたセミナーで排外主義的言動の広がりに警鐘を鳴らし、誰もが生きやすい社会の実現に向け語り合いました。(小林圭子)
![]() (写真)選択的夫婦別姓と同性婚について語り合う(右から)井田さん、三輪さん、松岡さん、みたらしさん |
弁護士の三輪記子さんは、日本においてマジョリティー(多数者)である「日本人」の権利を主張する「日本人ファースト」の考えに、マイノリティー(少数者)の権利を無視し、多数派がものごとを決めてしまう危機感を持ちます。
ロースクール時代の教員は「人はマジョリティーになることもあればマイノリティーになることもある。だからこそ、常にマイノリティーの権利に何か貢献できないかを考えないといけない」と語っていました。
誰かを蹴落とす社会ではなく、誰かを助け自分も助けられる社会を目指すべきだとし、「マイノリティーの権利をきっちり理解している人に投票したい」と力を込めました。
LGBTQなどの性的少数者に関する情報を発信する「フェア」の松岡宗嗣代表理事は、生活に困難を感じる原因に「政治をつかさどる人がマジョリティーで同質的な男性が中心となっている」構造があると指摘します。政治に違和感を持つ人が増えている一方で、それを是正する方法が「政治の構造を変えるよりも、マイノリティーを排除し、責任を転嫁するような方に向かっている」と警鐘を鳴らします。
多様な人たちの幸せを保障できない社会で「どうやってみんなの幸せを増やすことができるのか」と問い、「選べない日本から選択肢のある日本に変わってほしい」と強調しました。
臨床心理士の、みたらし加奈さんは、選択的夫婦別姓や同性婚は生活に強く結びついているにもかかわらず、課題として取り上げられづらいと指摘します。マジョリティーにだけ響く課題に偏ることがないよう「生活に根ざした法律が採択されるような社会こそが人々の心と人生を守っていく」と語りました。
選択的夫婦別姓の実現を目指す「あすには」の井田奈穂代表理事は、偏見や差別を公言する国会議員がいることを批判。私利私欲ではなく人権を守る候補者を選ぶべきだとし、「選択的夫婦別姓、同性婚をひとつの指標として、人権を守る候補者であるか、国会にいって私たちの生きやすさを担保してくれるか、を見極めて投票してほしい」と呼びかけました。









