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2025年7月8日(火)

主張

社会保険料「改革」

国民の命を縮め全世代に痛み

 日本維新の会は「高すぎる社会保険料を下げる」を最重点公約に掲げます。国民要求に沿うように装いますが、中身は社会保障費の削減だと公然と口にしはじめました。

■医療費削減を要求

 日本記者クラブの党首討論(2日)で吉村洋文代表は「社会保障の支出を減らすと言うべきだ」と石破茂首相に迫り、石破氏は「どの部分でできるか、『改革』をすすめる」と呼応しました。

 国民民主党も含め、自公政権の社会保障削減路線をあおる姿が明白になっています。

 社会保険料を下げるために何をするかと言えば医療費削減です。維新は「医療費の膨張が止まらない。次世代が大きな負担を負う」と危機感をあおり年4兆円以上、現行の約1割の大削減を要求します。

 そのために▽11万床の病床削減▽市販品のある処方薬を保険外にする▽高齢者の窓口負担引き上げ▽低価値医療の保険外し▽市場原理の導入―を公約。医療を自己責任にし、全世代の医療を切り縮め、負担を増やすものです。

 「社会保険料を下げる改革案・たたき台」(2月)では医療従事者の「人件費の適正化断行」も掲げていました。全産業平均以下で、離職を招いている医療従事者の賃金をさらに下げる暴論です。

 自公政権は2025年時点の「必要病床数」を推計し、それに合わせるために一般・療養病床について2015年からの10年間で125万床から6万床削減しました。コロナ禍で入院できず亡くなる人がでました。現段階で国の言う「必要量」になっていますが、自公維3党は、2年後にはさらに5・6万床不要になるとして削減で合意し、看護師配置が手厚い病棟を減らすことも狙っています。

 急激な病床削減、病院の統廃合は医療崩壊を招き、国民が医療を受けるのを妨げ、早期退院も迫られます。

 市販品のある処方薬が保険外にされドラッグストアなどで買うことになれば患者負担は数倍から数十倍に増えます。3割負担が10割負担になるだけでなく市販薬のほうが高いからです。難病やアレルギー疾患など長期使用の場合、命に関わる負担になります。子どもの医療費助成・無償化などの対象からも外れます。患者が自己判断で市販薬で済ませ、悪化や病気の見逃しを招く危険があります。

■国民民主党も同じ

 国民民主の主張も同じです。「手取りを増やす」「現役世代の社会保険料軽減」として▽市販薬のある処方薬や「費用対効果」の低い医療の保険外しなど公的医療保険の給付範囲見直し▽高齢者の窓口負担増▽批判を受けて凍結された高額療養費の自己負担上限見直し―を公約します。

 「国民のため」のポーズで自公政権の医療破壊を後押しするのが、両党の役割です。

 医療を支えるには公費投入こそ必要です。日本共産党は▽緊急に医療に国費5千億円投入▽公費1兆円投入で国保料を下げる▽高額所得者の保険料の頭打ちを見直す―ことを求めます。財源は大企業や富裕層への優遇税制をただす、大軍拡の中止―などで生み出します。医療破壊勢力に厳しい審判が必要です。


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