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2025年7月7日(月)

NHK日曜討論 田村委員長の発言

 NHK「日曜討論」(6日放送)での田村委員長の発言を紹介します。

日米関係

軍拡きっぱり拒否

 最初に、各国に関税の引き上げ、軍事費の大幅増額要求を押しつけているトランプ米政権とどう向き合うかが議論になりました。トランプ大統領は日本に対し、貿易に関して「これまで非常に不公平だった」「われわれが決定する関税を支払うことになる」などと述べて圧力を強めています。軍事費についても、国内総生産(GDP)比3・5%という大軍拡を要求していると報じられています。

 田村 (トランプ政権は)ルール破りです。例えば、東アジアサミットが毎年行われていて、東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス米中、日本など(の首脳)が話し合える場があるわけです。(そうした場で)ルールの是正を求めるような国際協調、国際的な協議を行っていくべきだと思います。同時に、GDP比3・5%もの軍事費の増大ですね。この要求はきっぱり拒否しなければならない。20兆円以上の軍事費になるわけです。すでに、第1次トランプ政権に要求されてGDP比2%への軍事費の拡大が行われ、暮らしの予算が押しつぶされています。20兆円以上になれば、到底、暮らしの予算と両立するはずがありません。ミサイル対ミサイル、軍事対軍事、この拡大で、外国を攻撃するミサイルを配備し、相手から反撃されたら、日本も戦場になる。こういう「戦争国家」づくりは止めていかなければならないと思います。

 石破茂首相は、軍事費の額について、「わが国の判断として決める」とした上で、「日米で緊密な協議はしていかなければならない」として、米の要求を踏まえる考えを示しました。立憲民主党の野田佳彦代表は「アメリカは貿易相手国としてリスクが高すぎる」との認識を示しました。

経済政策

ためこみで賃上げ

 続いて、経済政策・成長戦略が議題になりました。

 田村 「暮らしが苦しい」という国民が6割。これで経済成長するわけがないんです。やはり暮らしの安心のために、消費税の減税も賃上げも両方やるべきです。家計消費がこんなに冷え込んで、暮らしが苦しいのはなぜか。大企業を応援すれば、やがて賃金に回り、設備投資に回るという「アベノミクス」で、今や年間11兆円、大企業に減税している。しかし、賃上げにも設備投資にも回らなかった。期待した効果がなかったと、石破総理も認めました。これを見直さなければダメだと思います。

 大企業の利益に対して、応分の負担を求める。これまで減税してきた分が、大企業には、内部留保としてため込まれているんですから、これが賃金に回る仕組みをつくる。私たちは、大企業への応分の税負担と内部留保への課税で、中小企業の賃上げの直接支援をやろうということを求めています。ここが(経済成長の)カギになってくると考えます。

 司会者から「経済成長のために減税が必要だという議論もある」として、消費税減税などの是非が問われました。石破首相は「給付金」に固執し、消費税は「医療・年金・少子化・介護」の財源だとして、あらためて消費税減税を否定しました。

 田村 私たちは、消費税を一律5%に減税して、インボイスもきっぱり廃止する。大企業の利益に対して、応分の負担を求めています。今、中小企業は2割前後の法人税を納めているのに、大企業は1割を切る状況になっています。減税の恩恵があるからです。大企業の利益は働く人たちが生み出したものであり、消費する人たちがいるから、もたらされる利益です。それが539兆円もの内部留保として、ただただ、ためこまれ、役員報酬や大株主への配当といった富の偏在が、アベノミクス以降、ひどくなっている。ここにメスを入れて、経済・社会に回していく、ここがカギになってくると考えています。

人口減少

働かせ方見直しを

 社会保障制度を今後も維持していく上で、大きな課題として人口減少問題が議題になりました。厚生労働省が先月発表した調査によれば、昨年1年間に生まれた日本人の子どもの数は初めて70万人を下回りました。参政党の神谷宗幣代表は「若い女性が早く結婚して子育てに専念できるような環境をつくっていかないといけない」として、若い女性の生き方の選択肢を狭め、専業主婦になることを進める考えを示しました。

 田村 非正規雇用の問題とともに、自分の時間が持てないような、長時間労働の問題を規制してこなかった(ことが問題だと思います)。1日8時間労働を徹底するとともに、7時間労働制を目指そうと訴えていますが、「性別役割分担」を固定化しているような働かせ方の見直しが絶対に必要です。そして、経済的な負担、大学の学費が今も値上げされていく、これを止めないといけない。

 同時に競争教育、管理教育、子どもたちが学校に行けない不登校が増えていく。不安いっぱいの中で、どうして将来に希望を持って子どもを産み育てることができるのか、ということだと思います。

 また、地方では、女性たちに義理の両親の介護は嫁の仕事というような生き方が固定化されています。本当にジェンダー平等も合わせて、(改革を)求めていきたいと思います。

社会保障

医療・介護基盤守る

 社会保障をめぐっては、日本維新の会の吉村洋文代表が「社会保険料を下げる。これが一丁目一番地だ」と主張。これに関して司会者から「今まで受けられていたサービスが受けられなくなる可能性もある、応分の負担を求めることもあるかもしれないという意味か」と問われたのに対して、「そういう意味です」と明言。「薬局で買える薬まで保険適用する必要があるのか」として、OTC類似薬への保険適用を外すなど、社会保障削減を進める考えを示しました。国民民主党の玉木雄一郎代表は「現役世代だけに頼ってきたのがいまの社会保障制度だ」として、高齢者の負担を求めました。

 田村 (社会保障制度の)持続可能どころか、医療も介護も基盤崩壊の危機を迎えているんですよ。訪問介護の基本報酬を減らしたり、医療機関が物価高騰に苦しんでいるときに、まともな診療報酬も支払われない。私は、緊急に国の予算を入れて、この基盤崩壊を止めなければならないと考えます。

 この30年来、社会保障の予算を増やすことが悪であるかのような政治が進められてきました。このことが暮らしも不安にしてきたし、経済の停滞ももたらしてきた。そういう時に、医療費4兆円削減、病床削減、ドラッグストアで買える薬を医療保険から外すといった方向に行くことは絶対に間違っています。そうではなくて、まず優先的に社会保障の予算を増やして、社会保障の基盤をしっかり守っていく政治に切り替えていかなければならないと考えます。

参院選の目標

自公 参院で少数に

 最後に、参院選の目標が問われました。

 田村 衆議院で自公が少数に追い込まれたことで、国民の要求に応える新しい変化が生まれています。ぜひ、参議院でも自公を少数に追い込んで、消費税減税の実現の道を切り開いていきたいと思います。その財源として、私たちは、大企業、富裕層への応分の税負担ということを求めています。

 もう一つは、国際法も無視するトランプ大統領の下で、アメリカ言いなりの日米同盟強化、ここにひたすら進んでいっていいのかと大いに問うていきたい。GDP比3・5%もの軍事費は、暮らしと両立しないだけではありません。ミサイル対ミサイル、軍事対軍事、その先に平和は訪れません。争いごとを戦争にさせないための平和の外交を、大いに訴えていきます。

 れいわ新選組の山本太郎代表は「消費税廃止・給付金10万円」をあらためて主張。その財源として「国債発行」に言及しました。


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