2025年7月3日(木)
自民候補 2枚の領収書
沖縄選挙区 奥間氏二重発行か
![]() (写真)寄付金の受領者のみが異なる2枚の領収書(一部画像加工) |
参院沖縄選挙区(改選数1)に自民党公認で出馬する新人の奥間亮氏=前那覇市議=側が政治資金として受け取った寄付を巡り、宛名や金額、日付、但し書きがいずれも同じ2枚の領収書が存在します。
県選挙管理委員会に提出された領収書の写しを本紙が情報開示請求で入手しました。2枚の記載によると、2021年8月2日に自民党那覇市支部から16万円の寄付を受領。おくま亮後援会(現おくまりょう後援会)か、奥間氏個人かの受領者名と、それぞれの住所が異なるだけです。
この事案の発端は、収支報告書の不記載疑惑が那覇市議会で取り上げられたからでした。21年分の政治資金収支報告書で、自民党那覇市支部は当初、おくま後援会に16万円の支出を記載。しかし、寄付を受けた側の後援会の報告書には、その収入が記載されていなかったのです。
日本共産党のフルゲン茂治市議は、昨年2月15日の議会代表質問でこの事実を追及するために質問通告を提出。政治資金規正法の趣旨などに反した不記載にあたると指摘したところ、質問前日の14日に、おくま後援会は収支報告書を訂正しました。いったんは不記載を認めた形で16万円の収入を加筆。ところが翌15日に再び後援会は報告書を訂正し、加筆したばかりの記載を全て削除したのです。
明らかに不可解な二重訂正について、奥間氏は次のような弁解をしています。(1)自民党那覇市支部からの16万円は、おくま後援会あてではなく奥間氏個人への寄付だった(2)おくま後援会が誤った領収書を作成し、領収書は個人名でも作成したが、後援会名のものは廃棄されず、自民支部が誤って県選管に提出した(3)個人への寄付は、収支報告書への記載義務はないため不記載ではない―。
おくま後援会の二重訂正後、自民党那覇市支部も奥間氏の弁解に沿う形で収支報告書を訂正。領収書も個人名のものに差し替え、県選管に提出しました。
一見すると、つじつまを合わせたかのように装っていますが、寄付の受領時、領収書を二重に発行した事実を奥間氏は認めていることになります。
領収書の二重発行は、民間企業では経費水増しなどの不正利用が疑われるため、原則禁じられており、通常はありえないことです。奥間氏側の極めてずさんな政治資金管理の実態を表しており、参院候補としての資質に大きく欠けると言わざるを得ません。









