2025年6月26日(木)
「人間を守る」訴えさらに
国際平和へ沖縄から発信 県がシンポ
![]() (写真)沖縄から国際平和を考えることをテーマに開かれた沖縄県主催のシンポジウム=24日夕、那覇市 |
沖縄県は24日、那覇市内で「戦後80周年の沖縄から国際平和を考える」と題してシンポジウムを開きました。基調講演には、国連事務次長で国連の軍縮部門トップを務める中満泉氏と、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員の田中重光氏が登壇。玉城デニー知事と大学生によるパネルディスカッションも行い、戦後80年を迎えたもとでの戦争体験の世代継承や、変動する国際情勢のなかでの沖縄からの国際平和の発信について議論を交わしました。
中満氏は、2024年に世界の軍事支出が過去最高額となったことに触れ「保健や教育、気候変動対策といった本来世界が取り組むべき分野の優先順位が下がっている」と指摘。社会変革は市民の力が結集してこそ実現できたと述べ、沖縄が訴えてきた「人間を守る」ことをさらに訴え、変革を起こすことが求められていると訴えました。
田中氏は、核兵器は人間の絶滅だけを目的とした「悪魔の兵器」だと述べ、被団協のノーベル平和賞受賞をきっかけに「世界の人々が核兵器を使えばどうなるか再認識した」と指摘。被爆者の実相に話が及ぶと、涙ぐむ参加者の姿も。被団協の核兵器廃絶運動を若い世代に継承し、自分事として平和について考え行動するよう訴えました。
パネルディスカッションにはデニー知事と大学生の崎浜空音さんが登壇。相次ぐ米兵による性暴力や、日米地位協定改正などについて議論を交わしました。









