しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年6月25日(水)

きょうの潮流

 生と死のはざまで、さまよった日々。あまりの悲惨さに壊れてゆく心と体。みずからの傷をえぐるような証言は、あの戦争の正体を如実に物語っています▼沖縄戦に動員され「ひめゆり学徒隊」と呼ばれた10代の女学生たち。暗い壕(ごう)の中で昼夜を分かたず看護にあたり、むごい手術の手伝いや死体の処理まで。日本軍から突然「解散命令」を告げられ、激しい砲撃と銃弾がとびかう戦場に放り出されました▼沖縄「慰霊の日」にあわせ、毎年都内でも上映される「ひめゆり」。生存者の証言を集めたドキュメンタリー映画です。長く語れなかったつらい記憶と亡き友への思い。しかし戦争がどういうもので、いかに平和が大切か。それを次の世代に伝えなければと▼いま、沖縄戦の実相をねじまげる動きが相次いでいます。自民党の西田参院議員は「ひめゆりの塔」の展示を「歴史の書き換え」とまで。ありったけの地獄を集めたという惨状を言葉にして届けた彼女たちと犠牲者を冒とくする暴言です▼参政党の代表は「日本軍が沖縄の人たちを殺したわけではない」と発言。しかし沖縄が本土防衛の捨て石とされ、県民の被害が拡大した南部への撤退が時間稼ぎのためだったことは、紛れもない歴史の事実です▼玉城デニー県知事による平和宣言。沖縄戦の実相と教訓は、戦争体験者の証言と研究者の努力によって受け継がれてきたとして、「これこそが、私たち沖縄県民の平和を希求する心の原点」だと訴えました。沖縄の悲しみと怒りを込めて。


pageup