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2025年6月17日(火)

自衛官応募 2000人減

政府の募集強化効果なし

グラフ

 2024年度の自衛官の応募者数が6万1742人で、23年度より1946人減ったことが本紙の取材で分かりました。採用者数も約240人減り、自衛官の定員(約24万7千人)に対する充足率は89%と、25年ぶりに9割を下回りました。政府は「充足率は引き続き厳しい状況」だとしています。

 22年末に決定された安保3文書は大軍拡を実行するため「人的基盤の強化」=人材確保を掲げています。石破政権は定員割れが続く自衛官を増やすため、なりふり構わず若者の募集を強めていますが、現時点で効果は現れていません。

 少子高齢化に伴う募集対象人口の減少に加え、ハラスメントの横行や中国などとの実戦を想定した訓練・任務の過酷化が背景にあるとみられます。

 特に応募が減少しているのは、現場の中核を担う「一般曹候補生」の1万8819人で、約1140人減少しました。採用者数も4720人(249人減)と募集計画の58%にとどまりました。任期制の「自衛官候補生」の応募も、1万9322人(711人減)となりました。

 自衛官全体の採用者数は9724人(235人減)で、23年度に続いて1万人を割りました。23年度は採用目標に対する達成率が51%しかなく、1954年の自衛隊創設以来、最低となりました。24年度は採用目標を23年度より約4700人減と大幅に減らしたにもかかわらず、達成率は65%にとどまりました。

 自衛官の応募、採用数の減少が続き充足率も低下する中、政府・防衛省は、自衛官確保を「至上命令」と位置づけ、自治体への名簿提出圧力や教育機関への働き掛けなど、募集活動をなりふり構わず強めています。こうした動きは、安保3文書にもとづく「戦争国家」づくりといえます。


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