2025年6月4日(水)
韓国大統領選 李氏優勢
最大野党 「非常戒厳」への審判
【ソウル=栗原千鶴】韓国で3日、大統領選が投開票されました。今回の選挙は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が昨年12月3日に「非常戒厳」を発令し、「内乱の首謀者」として国会に弾劾訴追され、4月に憲法裁判所に罷免されたことに伴うもの。放送3社は午後8時(日本時間同)、共同出口調査の結果に基づき、尹氏弾劾を主導した最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)氏(60)の当選が予想されると報じました。予想得票率は51・7%。尹氏の後継で保守与党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)氏(73)は39・3%。
李氏は遊説で、自身への投票が「非常戒厳」とそれに同調した勢力への審判になると訴え。コロナや戒厳で落ち込んだ経済の立て直しも約束しました。テレビ討論では朝鮮半島の非核化を強調し、米韓同盟を強め、日米韓の協力も進めると語りました。
1963年10月、慶尚北道安東市出身。貧しい家庭に育ち、少年時代から工場で働き家計を支えました。中学、高校に通えず、高卒の資格を取得して大学に進学。卒業後、人権弁護士の道を歩みました。
ソウル近郊の自治体で首長を歴任。2022年3月の大統領選挙に出馬しましたが、当時の最大野党だった「国民の力」の尹氏に0・7ポイント差で惜敗。同年6月の補欠選挙で国会議員に初当選しました。
大統領不在で行われた選挙のため、政権移行期間はなく、4日午前に当選が公式に確定すると同時に大統領に就任します。
期日前投票を合計した暫定投票率は79・2%。有権者数は4439万1871人。








