2025年5月31日(土)
本紙に「報道の自由」賞 外国特派員協会
衝撃スクープ なぜ「赤旗」が
小木曽局長のスピーチ
日本外国特派員協会「報道の自由」賞を受けての小木曽陽司赤旗編集局長のスピーチは次の通りです。
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![]() (写真)自民裏金非公認候補に2000万円提供のスクープ記事を報じた「しんぶん赤旗」(2024年10月23日付) |
「しんぶん赤旗」を、日本外国特派員協会の2025年「報道の自由賞」に選んでいただき、大変光栄です。心から感謝いたします。
裏金問題の端緒となったのは、2022年11月の「しんぶん赤旗」日曜版のスクープです。自民党の5派閥が政治資金を集めるために開いた政治資金パーティーでの多額の収入を、政治資金収支報告書に記載していなかったことを告発したものです。
これがやがて裏金事件として自民党をゆるがし、岸田文雄首相の退陣までつながっていきます。当時はやった川柳に、「赤旗がなけりゃ裏金裏のまま」がありますが、まさに裏金を表に引っ張り出した歴史的スクープでした。
一方、「最大のスクープ」と評されたのは、昨年の衆院選挙期間中の「赤旗」日刊紙の特報です。自民党本部が裏金問題で非公認にした無所属候補に税金を原資とした政党助成金2000万円を流していたことを暴露しました。裏金議員「非公認」のポーズをとりながら、資金はちゃっかり出していた、これでは裏金議員の裏公認ではないかと、国民の激しい怒りを買い、与党過半数割れという衝撃的な結果をもたらしました。
こうして、「赤旗」日刊紙、日曜版の連係プレーは、日本の政治体制を揺るがし、新しい政治局面を開きました。このなかで私たちが注目していることは、企業・団体献金の禁止という問題を政治の焦点に押し上げたことです。
![]() (写真)自民派閥のパーティー収入不記載をスクープした「しんぶん赤旗」日曜版(2022年11月6日号) |
もう一つ、お話ししたいのは、衝撃スクープは、なぜ主要メディアではなく、政党機関紙の「赤旗」なのかという問題です。
実際、今回の裏金問題に限らず、安倍政権のときの「桜を見る会」スクープにしても、菅政権の学術会議会員の任命拒否問題にしても、自公政権を直撃し、首相退陣のきっかけをつくったのは、いずれも「赤旗」報道でした。
いずれも、だれもが入手可能な公開情報にもとづくスクープでしたが、大手メディアにはそれができませんでした。授賞理由は、日本の主要メディアが、与党に積極的に異議を唱えることを長い間ためらってきたことを指摘しています。それこそ日本の「報道の自由度」ランキングを押し下げている要因ではないでしょうか。
それにたいして「赤旗」は、どんなタブーもなく、権力に対する遠慮や気兼ねもありません。日米同盟絶対、財界・大企業中心という「政治のゆがみ」に正面から切り込む立場をもっています。そして、そういう問題意識を共有し、こつこつと地道な取材を続ける記者たちの努力があります。私たちの権力監視のスクープはこうして再生産されています。日本共産党の機関紙だからこそできるものだと確信しています。
このような「しんぶん赤旗」を、「報道の自由賞」という栄えある賞に選んでいただいた決断に敬意を表し、今後とも、権力監視と真実の報道というジャーナリズム本来の役割を果たすべく力を尽くす決意を表明します。










