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2025年5月26日(月)

きょうの潮流

 米東部マサチューセッツ州ボストン近郊にあるハーバード大学。創立は同地が英国の植民地だった1636年にさかのぼります。米国最古の大学の歴史は、1776年に生まれた国よりも長い▼多くのノーベル賞学者や米大統領を輩出してきた大学が今、トランプ政権の激しい攻撃にさらされています。トランプ氏は、数々の著名な大学を名指しし、補助金と引き換えに多様性政策の停止や学生運動の取り締まり強化を迫りました▼ハーバード大には数千億円規模の補助金を凍結。大学側が違法だと提訴すると、さらなる補助金の停止や留学プログラムの許可取り消しと追い打ちをかける…。政権に従わないことへの、見せしめのように▼イスラエルによるパレスチナ・ガザ攻撃に反対して全米各地で昨春から学生運動が盛り上がりました。トランプ氏は抗議運動を「反米・反ユダヤ主義」だと呼び、大学がマルクス主義や「極左」思想を広めているとまで。どれも一方的な決めつけばかりです▼「かつてない不当な介入」に抗(あらが)い、「大学の価値を守る」と法廷闘争を始めたハーバード大の学長は、自由な研究、多様な視点、学術的な探究―の文化を確かなものにしていく「未完の仕事」が大学に課せられていると強調します▼日本では、国の科学者を代表する独立機関・日本学術会議を解体する法案が衆院で強行され、政府与党は今国会で成立させようとしています。米政権の大学に対する露骨な介入を対岸の火事と眺めているわけにはいきません。


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