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2025年5月24日(土)

きょうの潮流

 2007年9月、沖縄県宜野湾市で11万人が参加した大集会が開かれました。この年、「集団自決」に日本軍の命令・強制があったとする教科書の記述を、政府が検定で削除・修正。歴史の事実を消すのかと県民の怒りが噴き上がったのです▼集会では登壇した高校生たちが訴えました。「私たちのおじぃおばぁたちが、うそをついているといいたいのでしょうか」。軍から「敵に捕まるより死を選べ」という指示を受け、手りゅう弾を渡されていたという祖父母らの話を聞いて育った世代です▼怒りのこもった発言に、参加者は大きな拍手と歓声で応えました。それから18年。都合の悪い歴史を塗りつぶそうとする動きが相変わらず繰り返されています▼自民党の西田昌司参院議員は、沖縄戦に動員され犠牲になった女子生徒らを追悼する「ひめゆりの塔」について、「日本軍がどんどん入ってきて、ひめゆり隊が死ぬことになった」という説明があるとし、「歴史の書き換えだ」と言い放ちました▼そのような展示はなく、まったくのでまかせですが、大戦末期、敗戦濃厚となった日本が沖縄を捨て石にしようとして、多数の住民が犠牲になったのは歴史的事実です。子どもまでが動員され、軍によってスパイだとして殺された人、壕(ごう)から追い出されて命を失った人たちもいました▼つらい体験の証言と研究者の努力で明らかになった真実。それを塗りつぶす言動は、日本を再び戦争をする国にしようとする動きと一体です。許してはなりません。


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