しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年5月24日(土)

核兵器の非人道性訴える

広島県被団協 佐久間氏 独の平和集会に出席

写真

(写真)ノーベル平和賞の記念集会に出席した(正面右2人目から)佐久間氏、土田氏、小薬氏=22日、ベルリン市内(吉本博美撮影)

 【ベルリン=吉本博美】北大西洋条約機構(NATO)加盟国・ドイツを訪れている広島県原爆被害者団体協議会(広島県被団協)の佐久間邦彦理事長と原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の土田弥生事務局次長は22日、ベルリン市内で開かれた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞を記念する平和集会に出席しました。佐久間氏は、自身の被爆体験を証言。「核兵器の非人道性は一目瞭然だ」と強調し、日独政府に核兵器禁止条約に署名させるための市民運動を広げようと呼びかけました。集会は国際平和ビューロー(IPB)と日本原水協、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の共催です。

 佐久間氏は、生後9カ月で被爆し、放射性物質を含む「黒い雨」にも遭ったと語り、腎臓と肝臓を患った子ども時代の写真を見せ、自身を含む多くの被爆者が差別や放射能の後遺症に苦しんできたと話しました。2006年から証言活動を始めた理由について、「核兵器をなくすには、被爆者として声を上げないといけないと気付いたからだ」と述べ、戦争と核兵器のない世界を求め続けると、決意を語りました。

 土田氏は、ドイツの社会民主党や左翼党と会談し、禁止条約への支持を要請したと報告。日本政府は米国との核共有を検討していると批判しました。禁止条約に参加する日本政府にするために、署名や自治体意見書決議などのキャンペーンにより、政治課題・選挙の争点にし、平和な政治を選択するよう働きかけていると語り、「困難はあっても、力を合わせよう」と呼びかけました。

 現役大学生の小薬岳さん(日本原水協個人理事)は、戦争経験者の証言する機会が少なくなるもとで「若者が主体的に平和のために行動を起こす時だ」と話しました。

 大学院生のイリーナさん(24)は「差別や証言活動の大変さがある中でも、核兵器の危険を伝えて続けてきたことは本当に勇敢な行動だと思います。ドイツまで来てくれ、証言を聞かせてくれたことに感謝している」と話しました。

 ベルリン在住の日本人青年8人を含む約30人が参加しました。


pageup