2025年5月23日(金)
米問題―減反から増産へ政策転換を
需給と価格安定を政府の責任で
田村委員長が提起
日本共産党の田村智子委員長は22日、国会内で記者会見し、米の価格高騰を抑え安定供給を図るために、減反・減産から増産へ転換し、価格を「市場任せ」にせず政府が責任をもつことなど、政策転換を明確にすることが必要だと提起しました。
石破茂首相が21日に、5キロあたりの米価格を3000円台にしなければならないと述べたことは、米価格を「市場任せ」にして国は関与しないという政府の基本姿勢と矛盾すると指摘。首相は国会答弁に責任を持ち、米政策の転換を行うと明示すべきだと述べました。
深刻な米不足による昨年比2倍の価格高騰と、米農家が激減し生産基盤が急速に崩れているという、直面する二重の危機を招いた最大の責任は歴代の自民党農政にあると指摘。米の消費が毎年減ることを前提に、農家に減反・減産を押しつけ供給量を不足させ、その結果2024年6月までの1年間の米需要量に対し供給量が44万トンも減少し米価格高騰につながったと強調しました。
また、民主党政権が創設した10アールあたり1万5000円の所得補償を18年に全廃し、年間約1500億円の所得を全国の米農家から奪うなど米生産への支援を切り捨ててきたことも農家減少に拍車をかけたと批判しました。
田村氏はこれらの危機打開のため、政府は米の減産から増産に転換し、そのために、農家・生産者への支援縮小から強化への転換を明確に打ち出す必要があると提起。この点で、トランプ関税の交渉材料としてあがる米の輸入拡大は国内の生産基盤を一層弱体化させるものであり、絶対にしてはならないと強調しました。
さらに、備蓄米の放出と円滑な流通を躊躇(ちゅうちょ)なく行うことが緊急策として重要だが、同時に、政府が米の増産、需給と価格に責任を持つ姿勢を明確にすることが効果を最大限に発揮するうえで大切だと強調。将来にわたる「米不足」の不安が広がったままでは、“米がなくなった時に備える”という行動が各段階で起きてしまうことになると指摘。備蓄米買い入れには1年以内の買い戻しが必要としている条件を廃止するなどし、放出した備蓄米が末端のスーパーや米穀店に届くところまで政治が責任を持つことが必要だと改めて訴えました。