2025年5月22日(木)
消費税論戦はどこまできたか
――大企業に担税力にふさわしい負担を求めるかどうかが試金石
消費税減税が国政の大争点に浮上しています。一連の世論調査で、国民の7割が何らかの形での消費税減税を求めています。同時に、国民の7割が「財源を明らかにすべきだ」と答えていることも重要な特徴です。この情勢の変化は、国民のたたかいと日本共産党の国会内外での奮闘がつくりだしたものです。
それでは消費税減税の財源をどこに求めるか。結論からいえば、大企業に担税力――負担能力にふさわしい負担を求めるかどうかが、この問題での各党の姿勢をはかる重要な試金石の一つとなっています。
「大企業には、今以上の担税力がないのか」――志位議長の追及に対して
まず政府・与党はどうでしょうか。19日、志位和夫議長は、衆院決算行政監視委員会で、「大企業には、今以上の担税力――税負担をする能力がないのか」という問いを政府に突き付けました。
志位氏は、この間の大企業への減税と優遇の結果、(1)大企業の利益の大きな伸びに比べて、法人税の伸びが低く抑えられており、内部留保が空前の規模に膨れ上がっていること(2)大企業の法人税の実質負担率が、小規模企業や中堅企業に比べて、約半分になっていることを具体的データで突き付け、政府の姿勢を追及しました。加藤勝信財務相は答弁で、大企業に今以上の担税力が「ない」とは言えませんでした。同時に、今以上の担税力が「ある」とも言えませんでした。この問題で答弁ができないのです。
「今以上の担税力」は「ない」とは答弁できず――ならば応分の負担を求めよ
政府が「ある」と答えなかったのは、「ある」と答えてしまったら、大企業に追加の税負担を求めることになってしまうからです。そうした道は拒否する――ここに財界権益には指一本触れようとしない政府・与党の姿が示されています。
ただ同時に、政府が、「大企業には今以上の担税力がないのか」との追及に、「ない」との答弁ができなかったことは重要です。大企業の空前のもうけ、異常な優遇ぶりをしめす具体的データを前にして、さすがに「ない」とは強弁できないのです。そうであるならば、質疑で志位氏が主張したように、「担税力が十分すぎるほどある大企業への減税・優遇をあらため、消費税減税の財源にあてるべきだ」という主張を高くかかげ、政府・与党を追い込んでいくことが大切です。
自民党と公明党は、「2025年度税制改革大綱」で、これまでの法人税率の引き下げが、設備投資にも、賃上げにも結び付かず、「意図した成果をあげてこなかった」と認めざるをえませんでした。石破茂首相も、国会の答弁で「深い反省」を述べざるをえませんでした。「反省を言うなら、大企業への減税バラマキをあらためよ」と迫っていくたたかいが重要になっています。
消費税減税に本気で取り組むかどうかの試金石
それでは野党はどうでしょうか。野党はそれぞれ消費税減税を掲げていますが、その財源となると、「赤字国債でまかなう」(国民民主党、れいわ新選組)、「税収の上振れの活用、社会保障削減」(日本維新の会)となっています。
「社会保障削減」を唱える維新は論外として、「赤字国債でまかなう」という議論は、無責任なものです。そして、これらの諸党に共通して欠けているのは、消費税減税の財源として、大企業に対して担税力にふさわしい税負担を求めるという姿勢です。この姿勢を欠いては、いくら消費税減税を言っても、実現の道は開かれないでしょう。
本気で消費税減税を実行しようとすれば、大企業に対して担税力にふさわしい税負担を求めるという立場に立つことが必要です。ここが消費税減税に本気でとりくむのかどうかの重要な試金石の一つとなっているのです。
日本共産党は、消費税廃止をめざし緊急に5%に減税する、インボイスはきっぱり廃止する、その財源は、赤字国債に頼らず、大企業と富裕層への行き過ぎた減税と優遇をただすことでまかなうという具体的提案を行っています。この立場こそ、国民の7割が願う消費税減税、国民の7割が求める「財源を明らかにしてほしい」という二つの思いに応えたものです。この党を伸ばすことが、消費税減税への確かな道です。








