2025年5月21日(水)
学術会議変質させる法案
歴代6会長 廃案要求
![]() (写真)学術会議解体法案に反対する学術会議会長経験者の会見(左から梶田、大西、広渡の各氏)=20日、東京都千代田区 |
日本学術会議の歴代会長3氏は20日、日本記者クラブで会見し、学術会議解体法案の廃案をあらためて求める歴代会長6氏の声明を発表しました。法案は学術会議の独立性を奪い、政府・財界の意に沿うよう変質させるもので、声明は13日に衆院で法案が可決されたことを受けて公表されました。吉川弘之、黒川清、広渡清吾、大西隆、山極壽一、梶田隆章各氏の連名。
声明は、現行法の前文にある「科学者の総意の下に」設立という文言を「日本学術会議の自律性・自主性を根拠づける最重要の規定」だと表明。学術会議の歴史的意義と使命を述べる前文の削除は「日本学術会議を根本的に変質させるものであり許されない」と主張しています。
会見で梶田氏は、世界が気候変動など深刻な問題を抱える中、学術の人類社会への貢献という観点で学術会議を議論すべきだと指摘。「参議院では真摯(しんし)な議論がなされて、法案の抜本的な修正、あるいは廃案とすることを望む」と発言しました。
法案にある会員の解任制度を巡り、坂井学内閣府担当相が9日の衆院内閣委員会で「特定のイデオロギーや党派的主張を繰り返す会員は、今度の法案で解任できる」と述べたことについて問われ、広渡氏は、首相が「学術会議を管理、監督」する意図で解任制度をつくった可能性があると発言。学術会議は特定の主張やイデオロギーを繰り返すような場所ではなく学者が議論を行う場だと指摘し、制度の目的を具体的に議論するべきだと主張しました。
さらに、大西氏は、2015年に政府の有識者会議が学術会議法の見直しを行い、「これ(現在の制度)を変える積極的な理由は見いだしにくい」と有識者会議が結論づけていることを挙げ、「法改正そのものが根拠なく行われている」と批判しました。









