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2025年5月18日(日)

きょうの潮流

 周囲は通行止めが続き、警備員が24時間の態勢で見張っていました。道路が陥没した埼玉・八潮市の現場付近です。多くの住民らは、迂回(うかい)しながらの生活を余儀なくされています▼事故の発生から3カ月余り。トラックごと転落した被害者がようやく確認され、運転席の部分も引き上げられました。74歳。こんなことで人生を断ち切られるとは思いもよらなかったでしょう▼埼玉県は周辺の下水道管の全面的な対策工事について「5~7年を要する」との見方を示しています。すでに数十億円規模の予算を組むとしていましたが、復旧の費用はさらにかさむ可能性が高く、今後の補償なども含めると数百億円規模になるとも▼人命を奪い莫大(ばくだい)な費用の原因をつくった水道管の破損。八潮の事故後も、同じ埼玉や大阪、京都で水道管が破裂し、道路が冠水するなど生活に影響を及ぼしています。いずれの水道管も40年の法定耐用年数を大幅に経過し、老朽化が指摘されています▼およそ74万キロにもなる全国の水道管の2割超が耐用年数を過ぎ、今後も増えていく一方です。水道事業は独立採算制とされ、維持管理や更新にかかる巨額が水道料金に上乗せされ、さらなる値上げにもつながりかねません。これでは何のための税金か▼生きていくうえで欠かせない水道を整備するのは国や自治体の役割です。八潮の被害者遺族は「かけがえのない存在」を失った悲しみを。痛ましい事故をくり返さず、きれいで安全な水が通る道をつくるのは政府の責任です。


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