しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年5月18日(日)

機密費 半年6億円超

石破内閣 ハイペースの支出

商品券配布の日に1億1850万円

 石破茂首相が自民党の新人議員15人と3月に会食した際に1人10万円分の商品券を配布した問題で、その原資となった疑いがある内閣官房機密費(報償費)。昨年10月に発足した石破内閣は、わずか6カ月で6億2000万円の官房機密費を支出していたことが17日、本紙が情報公開請求で入手した資料で分かりました。(矢野昌弘)


写真

(写真)2月(上)と3月の「内閣官房報償費出納管理簿」。会食のあった3月3日に1億1850万円の「政策推進費」が支出されたことがわかります

 使途を明らかにすることも領収書の提出も不要の官房機密費。その支出関連文書によると、昨年10月から3月中までに石破内閣が支出した機密費は6億2700万円余です。その中でも官房長官への“渡し切り”の「政策推進費」は6億1380万円と、支出の97%を占めています。第2次安倍晋三(91%)、菅義偉(95%)、岸田文雄(96%)の3内閣と比べても、「政策推進費」の比率が高くなっています。

 石破首相が総額150万円分の商品券を配ったのは3月3日。直近の機密費の支出を見ると、同日に1億1850万円を「政策推進費」として支出していました。

 2月3日にも「政策推進費」として9600万円を支出。それとは別に同日から同月27日までに198万円の支出がありました。その内訳は黒塗りで不明です。情報公開の対象となっていない「活動関係費」か「調査情報対策費」と推測されます。

 「活動関係費」は交通費や書籍代、情報収集にかかった経費、贈答品や慶弔費などに充てるとされます。「調査情報対策費」は情報提供者への対価や情報収集のための会合費用などに支出する経費とされています。

 自民党議員に配る商品券を官房機密費で購入していれば、私的流用になります。官房機密費の使途が明らかにされないのをいいことに、第2次安倍内閣以降、歴代自民党内閣は毎年度、予算枠ぎりぎりの12億3021万円まで使い切ってきました。石破内閣のハイペースな支出からは、歴代内閣となんら変わらないように見えます。


pageup