2025年5月17日(土)
きょうの潮流
6月初旬、視覚障害のある人たち約300人が東京に集まります。視覚障害のある人は歩行・移動、読み書き・情報、就労がとくに困難だとして、これらの権利保障を求めて58年前に結成された全日本視覚障害者協議会(全視協)の全国大会です▼ひとりで自由にどこへでも。そんな当たり前の願いが、視覚障害があると実現しづらい社会を全視協は少しずつ変えてきました▼大東文化大学正門前に1年前、青信号時に音がなる音響式信号機が設置されました。全盲の大学生が学友や全視協のメンバーらとともに運動をすすめた成果です▼「デジタル化が進み良い面もありますが、視覚障害者にとっては新たに困るところが出てきています」と語る、全視協理事の田中章治さん。外食で注文する時、タブレットの操作が困難です。ロボットが料理を運んできても気づかない。数人分の料理が運ばれてきても、どれが自分の注文したものか分からない…。大会ではそうした問題を語り合う分科会も▼参政権運動の分科会では、投票のしづらさなどを語り合います。自分たちの代表を選挙で選ぶことで社会を変えていけるように―。自治体によってばらつきがある点字版選挙公報。「点字版、大活字版、録音の三つがそろって情報が保障されることになります」と田中さん▼大会運営には見える人の支えが必要です。発言希望者にマイクを渡したり移動の支援をしたり。視覚障害者の権利向上をともにと、全視協はボランティアの参加も呼びかけています。








