2025年5月10日(土)
西田氏「ひめゆり発言」削除
事実をゆがめた歴史観撤回せず
自民党の西田昌司参院議員は9日、沖縄戦で犠牲となった学生らを追悼する「ひめゆりの塔」(沖縄県糸満市)に関する自身の発言を巡り、「不適切だった。沖縄県民におわび申し上げ、訂正、削除する」と述べました。国会内で記者団の取材に応じました。
西田氏は3日、那覇市での改憲派のシンポジウムで、ひめゆりの塔の展示説明に触れ「日本軍がどんどん入ってきて、ひめゆりの部隊が死ぬことになった。そして米国が入ってきて、沖縄が解放されたと、そういう文脈で書いている。歴史を書き換えられることになる」と語り、沖縄県内外で怒りの声が広がりました。
これを巡り、西田氏は「20年以上前にひめゆりの塔を訪問した際に、そうした展示があったが、今は内容が変わっており、確認しようがない」と釈明。さらに、別の施設である沖縄県平和祈念資料館の展示と混同していた可能性も示し、あいまいな記憶で発言したことを認めました。
一方、沖縄戦を巡って「日本軍は沖縄を守りに行った」「多くの島民が兵隊さんと一緒になって米軍と戦い、玉砕した」などと発言。日本軍が住民を戦争に動員し、「集団自決」を強制した歴史を否定する自身の歴史観は撤回しませんでした。
西田氏の発言を巡っては、7月の参院選(京都選挙区)で同氏を推薦した公明党からも苦言が繰り返されてきました。今回の“謝罪”は選挙対策にすぎないことは明らかです。