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2025年5月9日(金)

多国間主義 再強化を

第2次大戦終結80年 各国演説

国連総会

 国連総会は7日、ニューヨークの国連本部で、第2次世界大戦終結80年の特別総会を開きました。現在世界では、中東やウクライナで紛争や侵略が続き、トランプ米政権などによる自国中心主義が横行しています。各国はこのような情勢を受けて、国連を中心にした多国間主義へ再び取り組みを強めるよう求める声をあげました。

 総会は、第2次世界大戦の犠牲者を追悼し、「戦争の惨害から将来の世代を救う」(国連憲章)ために国連が創設されたことを振り返りました。ヤン総会議長(カメルーン)は、平和はひとりでに持続するものではなく、「機構と警戒心なにより共同の責任が必要だと国連創設者は理解していた」と演説しました。

 ニュージーランド(豪州、カナダも代表)は、現在の多国間主義は「深刻な緊張状態」にあるが、国連憲章を基礎に各国が協力を強化するよう訴えました。

 植民地支配や侵略を受けた歴史を持つ東南アジアや他のアジア諸国は、「(日本占領下の)マニラを解放するだけで10万人の市民が犠牲になった」(フィリピン)と惨禍の記憶に触れつつ、一国主義や国粋主義ではなく、対話と協力こそが必要だと主張しました。

 ドイツは、ナチス・ドイツがもたらした「苦痛、破壊、喪失の遺産は永遠にわが国の名に刻まれる」と述べ、同国が背負う責任は「ためらうことなく受け入れる」と反省を語りました。

 ロシアは、ソ連が大きな犠牲を払って反ファシズム勢力の勝利に貢献したと強調。これに対し、欧州諸国からは、現在のロシアによるウクライナ侵略や、ソ連による戦後の東欧支配への厳しい批判が出ました。

 中東諸国などが、イスラエルが攻撃するガザやヨルダン川西岸でのパレスチナの苦境に言及しました。


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