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2025年5月6日(火)

きょうの潮流

 先日、東京・練馬区の「ちひろ美術館」を訪ねました。画家いわさきちひろの自宅兼アトリエ跡にあり、ちひろが愛した草花や木々の緑が広がる閑静な場所です▼開催中の「ちひろのアルバム」では、残された60冊以上のアルバムから、家族と過ごす日常や旅先の風景など、彼女の人生を語る貴重な写真が作品とともに展示されています。写真のなかの息子の姿が、作品に描かれた男の子と重なります▼ちひろが描いた子どもを見ると、わが子がモデルなんじゃないかと思えてくる、という話をよく聞きます。筆者も、幼いころの娘にそっくりだと思う絵があります。平和な日常のなかで輝く命を見つめ、子どもが見せるさまざまな表情や姿を描いた作品は、かわいさとともに、内に秘めた強さも感じさせます▼青春時代に戦争を体験したちひろは戦後まもなく、命がけで戦争に反対した日本共産党に出会い、入党します。自らの生き方に誇りを持ち、子どもの幸せと平和を脅かすものとたたかってきたちひろは、こんな言葉を残しています▼「青春時代のあの若々しい希望を何もかもうち砕いてしまう戦争体験があったことが、私の生き方を大きく方向づけているんだと思います。平和で、豊かで、美しく、可愛(かわい)いものがほんとうに好きで、そういうものをこわしていこうとする力に限りない憤りを感じます」▼絵筆に込めたちひろの揺るぎない思い。その絵は今も、見る人の心に訴えかけてきます。「世界中の子どもみんなに、平和としあわせを」


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