2025年5月4日(日)
きょうの潮流
3年前に亡くなった川村俊夫さんは憲法を守り生かす運動に生涯をかけた人でした。ことし結成60年を迎えた憲法会議に当初からかかわり九条の会の発展にも力を尽くしました▼憲法会議のあゆみを特集した『月刊憲法運動』の特別号が先月届き、運動をともにした仲間たちが川村さんをしのんでいました。長きにわたる改憲勢力との攻防。平和を揺るがさない、たゆまぬとりくみをふり返りながら▼国民主権や個人の尊重、法の下の平等や生活権、自由と民主主義。国民の中には憲法の「心」が着実に浸透し定着していることを、川村さんは確信にしていました。時代は憲法をくらしに生かすことを求めているとして▼広がる青空のもとで開かれた戦後80年の憲法集会。ウクライナで、ガザで、やまぬ戦火が世界に影を落とし、国内では自公政権が大軍拡に突き進むなか、参加者は決意を新たに。平和もくらしも脅かす戦争国家づくりを許すな、未来は自分たちで変えられると▼集会では憲法前文の一文が読み上げられて。「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」▼20代の頃から川村さんと一緒に活動してきたという新婦人の高田公子元会長は、生前かけられた声をいつまでも。「どんな困難があっても、毎日毎日の活動の中には無駄は一つもない。その積み重ねで歴史を前へ進めることができる」。それは、日本の“宝”を守るためにたたかってきた人びとの思いです。