2025年5月1日(木)
きょうの潮流
ことしの大型連休は巣ごもり傾向にあるといいます。大手旅行会社の調査では、旅行に行くと答えた人は去年と比べ7・8ポイントも減少。すべての世代で旅行意欲が低下していました▼費用が高い、家計に余裕がない―多くがあげた旅行に行かない理由です。担当者は長引く物価高の影響で、期間中は自宅で過ごす傾向が強いと。別の調査では、外食や買い物に行くと答えた人も去年から軒並み減少していました▼実際、生活は厳しくなるばかり。主食のコメは16週連続の値上がりで、政府が備蓄米を放出しても去年より2倍以上の値段で高止まりしています。近くのスーパーの米棚は空っぽで品薄や品切れの状況も続きます▼食費だけでなく、日々のくらしにかかわるあらゆるものの価格が上がっています。一方で実質賃金は3年連続のマイナス。物価高に追いつかない賃金や年金。しかも日本は30年近くにわたって賃下げが続くという異常さです▼「失われた30年」は働く者の権利を奪い、労働環境を悪化させ、不安定な非正規雇用を拡大してきました。働けどひろがる貧困や格差によって、人びとは安心や幸福感、将来への展望を失っていき、それは社会の基盤をむしばんでいます▼ディーセント・ワーク=働きがいのある人間らしい仕事の実現が国際的に提唱されるなかで、いまだ日本社会や政治に横行する“労働者いじめ”。働く者の団結とたたかいでそれを打ち破り、くらしと平和を守ろう。生きがいのある人生をつくろう。きょうメーデー。