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2025年4月30日(水)

万博チェック

初の死者 命守る責任は?

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(写真)看板もない西ゲート診療所=大阪市・夢洲(ゆめしま)の万博会場内

 大阪・関西万博で24日、会場内で体調不良を訴えた来場者が場内の医療救護施設での治療後、場外の病院に搬送され死亡するという初の事態が発生しました。年齢や症状などは「プライバシーに属する」として未公表ですが、一般的な「傷病者発生状況」すら発表していないことが明らかになり疑念が広がっています。

 報道機関の要請もあり協会の髙科淳副事務総長は28日の会見で開幕後の「救急搬送数」と「うち熱中症」の件数だけを報告。13日から27日までの15日間で51件もの救急搬送があったことが判明。熱中症による救急搬送はなかったとしていますが、すでに熱中症が報告され始めているのかどうかは明らかにしていません。

 2005年の愛知万博では来場者数約1000人に1人の割合で傷病者が発生しており、今回も少なくとも同程度が医療救護施設に来所すると想定。1日10万人来れば100人です。ところが1日最大22万人超の来場者を見込みながら診療所は三つしかなく(終日は1カ所)、あとは五つの応急手当所があるだけです。その場所も分かりにくく、軸となる西ゲート診療所には看板もありません。「いのち」を掲げる万博であればより真摯(しんし)な姿勢が求められます。傷病発生にどういう傾向があるのか詳細な発表による注意喚起と今後の対策に向けた情報の共有が欠かせません。


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