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2025年4月30日(水)

アイヌ遺骨 集落に返せ

紙氏、先住民の権利指摘

参院決算委

写真

(写真)質問する紙智子議員=21日、参院決算委

 日本共産党の紙智子議員は21日の参院決算委員会で、アイヌの遺骨をコタン(集落)に返還するよう求めました。大学の研究者がアイヌ墓地から無断で掘り出し持ち去った遺骨は、大学や博物館、民族共生象徴空間(ウポポイ)に今も1921体保管されています。

 紙氏は、先住民族の権利に関する国連宣言が遺骨の帰還を先住民の権利と定めていると指摘。ところが、日本ではガイドラインで、返還するにふさわしい人物・団体であるかを国が判断しているとして、要件の緩和を求めました。伊東良孝アイヌ担当相は「適切な者であること、慰霊施設等を確保していること」などの要件だけを答えました。

 紙氏は、ウポポイから小樽市への返還では、返還時のみ供養の儀式であるイチャルパを行い、市営墓地に埋葬する予定だと指摘。アイヌの意向に沿った実効性ある対策を求めました。

 2024年12月現在、全国12大学に247体の遺骨があるが、謝罪した大学はあるかと質問。文科省の松浦重和審議官は「札幌医科大学は謝罪した」と答えました。紙氏は、大学が勝手に持ち去ったのだから返還するのが責任の取り方だと追及。伊東担当相は「みなさんの考えをしっかりうかがいたい」と答えました。

 紙氏は、オーストラリアでは11年に先住民族返還政策を策定し、国内外のアボリジニ遺骨返還のために政府に諮問委員会を設置し具体化していると指摘。アイヌ施策推進法の見直しにあたり、こうした遺骨返還の動向を把握するよう求めました。伊東担当相は「研究したい」と答えました。


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