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2025年4月29日(火)

トランプ米政権発足100日

反撃に立ち上がる国民

 トランプ米大統領の2期目の就任から29日で100日となりました。民主主義や法の支配を踏みにじり、市民の自由や人権に猛攻撃を加えるトランプ政権に国民の反撃が続いています。共和党内ではトランプ人気が続く一方、国民生活の切り捨てや分断をあおる手法は混乱や恐怖を招き、国民との矛盾を深めています。(ワシントン=洞口昇幸 写真も)


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(写真)民主主義や法をないがしろにし、独裁色を強めるトランプ米政権に抗議し、「去れ!」と唱和しながら行進する市民=19日、ワシントン(洞口昇幸撮影)

 「メイク・アメリカ・シンク・アゲイン」(米国に再考させる)」―。19日に米首都ワシントンで行われたデモ行進・集会の参加者の一人が、こう書かれたプラカードを掲げました。トランプ氏のスローガン「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」(アメリカを再び偉大に)をもじって皮肉ったものです。参加者の多くは「トランプ政権は去れ」とシュプレヒコールを繰り返しました。

 移民を敵視するトランプ政権は3月、保護資格を持つ移民男性をエルサルバドルに強制送還。連邦最高裁は4月に入って男性の米国への帰還を容易にするよう命じました。しかしトランプ政権は最高裁命令に背いて問題を放置。裁判所の命令さえも無視する政権に国民の危機感が高まっています。

 19日の抗議行動は、第2次トランプ政権発足直後に生まれた草の根団体「50501(1日の中で全米50州で50の抗議行動を―の意味)運動」などが呼び掛け、全米700カ所以上で市民が行動しました。全米規模の行動はこれまで少なくとも4回行われました。

 同団体は、現職大統領による最高裁命令の無視を許せば「法の支配と民主主義は死んだも同然だ」と警告します。「トランプ政権に対抗する国民の運動は成長している」「真の変化は大きな声を上げるだけでなく、深いつながりから生まれる」として、さらなる運動の拡大・発展を呼び掛けました。

 昨年11月の大統領選で敗北し、連邦議会上下両院で少数派になった民主党も変化を求められています。同党進歩派のサンダース上院議員は2月からトランプ政権への対抗を呼び掛ける遊説を開始。主に共和党が支持基盤とする都市を訪問していますが、各地で大盛況となっています。

 カリフォルニア州ロサンゼルスで12日に開かれた集会で、サンダース氏とともに訴えた進歩派のオカシオコルテス下院議員は、憎しみや分断をあおるトランプ政権を批判。「憎しみは私たち全員を沈めるわなだ。分断を拒否して共に手を取り合って立ち上がることこそ勝利する唯一の道だ」と強調しました。

 トランプ米大統領は25日公表の米タイム誌のインタビューで、就任からこれまで「大統領として大いに成功している」などと自画自賛しました。しかし国民世論はまったく逆です。

 米ABCニュースが27日に発表した世論調査によると、トランプ氏の大統領としての働きぶりを「支持する」と答えたのは39%。「支持しない」は55%に上りました。「過去80年間のどの米大統領の就任後100日の支持率よりも低い」と報じられています。経済政策を巡っては72%がトランプ氏の政策が景気後退を引き起こす可能性があると回答。特に米経済を活性化させるとしてトランプ氏が推進する関税政策には反対が64%と、賛成の34%をはるかに上回りました。


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