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2025年4月16日(水)

トランプ政権の要求拒否

ハーバード大 「大学の自由」侵害

 【ワシントン=洞口昇幸】米ハーバード大学のアラン・ガーバー学長は14日、「反ユダヤ主義の根絶」を理由にトランプ政権が求めてきた大学制度や学術プログラムの見直しを拒否すると発表しました。同大学は、政権側の要求は表現の自由などを定めた憲法に違反し「大学の自由への侵害」だと批判。「本学は自らの独立性を譲り渡すことはしないし、憲法上の権利を放棄することもしない」と表明しました。

 トランプ政権は、ガザ地区を攻撃するイスラエルに抗議する学生・教職員の運動や多様性・公平性・包摂性(DEI)教育を重視する大学を敵視。政府からの補助金削減の脅しで、主要大学に政策を変更するよう圧力をかけています。米国最古の大学で政財界に多数の人材を出しているハーバード大学が対抗姿勢を示したことは、トランプ政権に痛手となります。

 政権側は11日、ハーバード大学に対し▽DEI教育の停止▽「反ユダヤ主義」に関与した個人の通報▽職員や入学者のデータ共有―などを要求。3月には政府の指示に従わなければ総額約90億ドル(約1兆2900億円)の補助金や契約を打ち切ると伝えました。

 ガーバー氏は声明で、政権の要求は「連邦政府の権限を超えている」と批判。「どの政党が政権に就いていようと、私立大学が何を誰に教えるか、誰を入学させ雇用するか、どの分野の学問や研究を追究するかについて、いかなる政府も指示すべきではない」「ハーバード大学も他の私立大学も連邦政府に乗っ取られることを認めることはできない」と強調しました。

 ハーバード大学の発表を受けて、トランプ政権は14日、報復として計22億6000万ドル(約3200億円)の補助金や契約の凍結を発表しました。


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