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2025年4月16日(水)

大阪高検、被害者に圧力

地検元トップの性暴力事件 メールで口止め

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(写真)大阪高検が女性側に送ったメールの書面(一部加工)

 大阪地検トップの検事正だった北川健太郎被告が部下の女性検事への性的暴行で準強制性交罪に問われている事件で、大阪高検の担当部長が、捜査の秘匿情報の漏えいや女性を中傷をしていた同僚の副検事の処分について外部発信を禁じるメールを女性側に送り、圧力をかけていたことが15日、分かりました。

 女性と弁護団が同日に大阪市内で記者会見を開き、明らかにしました。女性は、事件と無関係の同地検幹部らに女性の名前と女性への誹謗(ひぼう)中傷を言い広げていたとして副検事を告訴。大阪高検は3月19日までに、副検事の行為を認めましたが、不起訴処分にしました。

 同部長はメールで、不起訴は「何か都合の悪いことを隠すため」ではないなどとした上で、女性に対し「外部発信をするようなことがあれば、検察職員でありながら、警告を受けたにもかかわらず、その信用を貶(おとし)める行為を繰り返しているとの評価をせざるを得ない」「これは口止めや脅しではなく、当たり前のこと」「口止めや脅しを受けたなどという発信も控えてもらいたい」としました。

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(写真)会見で話す奥村弁護士(前列右端)=15日、大阪市北区

 会見で、奥村克彦弁護士はメールは「組織による威圧、口止めといった圧力行為と評価しうる」と指摘。女性はメールに「絶望し、恐怖し、ひどくおびえた」「『職務』として被害者をやっているのではありません」と涙ながらに語り、メールは検察による性犯罪や二次加害の軽視、被害者軽視の「象徴」だと批判しました。


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