2025年4月15日(火)
解体法案ノー 学術会議守る“鎖”
総会前に呼び掛け
![]() (写真)日本学術会議法案の廃案を求めてアピールする人たち=14日、東京都港区の日本学術会議前 |
政府が18日にも日本学術会議解体法案の審議入りを狙うなか、学者や市民らが権力の介入から学術会議を守ろうと14日朝、東京都内の学術会議庁舎を人間の鎖で取り囲みました。
学術会議が14、15両日の総会で法案を審議するのを前に、人間の鎖の参加者らは次々に廃案を求め、学術会議会員らに「学協会、市民、国民の意見を受け止めて総会に臨んでほしい」と訴えました。主催は、法案反対のオンライン署名を呼びかけている学者や法律家らの16団体。
井原聡・東北大学名誉教授は、学術会議を特殊法人化する同法案は、戦争ができる体制づくりを進める経済安保法や能動的サイバー防御法案などと同じ流れにあると強調。片岡洋子・教育科学研究会委員長は「子どもたちに平和を引き継いでいくために法案に反対する」と表明しました。
フリージャーナリストの金平茂紀氏は、米トランプ政権が政府の意に沿わない大学や研究機関への補助金を削減している現状に触れ、「日本の未来像を先取りしている」と指摘し、学術会議は「ぎりぎりの瀬戸際にいる」と危機感を表明。学術会議会員任命拒否に対する情報公開請求訴訟弁護団の米倉洋子事務局長は、法案は「巧妙な形で任命拒否を制度化するものだ」と批判しました。
科学史が専門の隠岐さや香・東大教授は「100年に1度出合うか出合わないかという法案だ」と危険性を強調。「アカデミーを守らなければならない」と訴えました。