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2025年4月8日(火)

特殊業務手当支払え

国立精神・神経医療研究センター

東京高裁 原告側が逆転勝訴

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(写真)逆転勝訴を受けて喜ぶ、原告、支援者、弁護士ら=3月27日、東京都内

 国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)が特殊業務手当を一方的に廃止したことに対し、全日本国立医療労働組合(全医労)組合員7人が労働契約法に違反するとして手当の支払いを求めた裁判で東京高裁(水野有子裁判長)は3月27日、同センターに手当支払いを命じる判決を出し、原告側が逆転勝訴しました。

 同センターでは、筋ジストロフィーや重症心身障害患者、心神喪失で他害行為を犯し医療観察を受ける患者などを受け入れる病棟があります。刑事事件になった患者とも信頼関係をつくり、薬を飲むようすすめるなど大変な仕事のため、職種・業務によって月5200~3万5400円の特殊業務手当が支払われていました。

 ところが当局は2018年1月、特殊業務手当を廃止する就業規則改定案を組合側に提示。3月、組合の合意がないまま5年で段階的に廃止する不利益変更を強行しました。19年4月、組合員7人は合理性のない労働条件の不利益変更は労契法10条に違反するとして東京地裁立川支部に提訴しました。

 23年2月、立川支部は、特殊業務手当廃止の不利益は大きくないと判断し、経営状態が悪いので賃金水準を下げてもいいという経営側の言い訳をうのみにする判決を出しました。判例で、労働条件の不利益変更は「高度な必要性」がある場合に限られていましたが、無視したものでした。

 東京高裁判決は、手当廃止の不利益は小さくないと認め、不利益を受忍すべき「高度な必要性」は認められないとし、労組との交渉も十分ではないと判断。手当支払いを命じました。

 判決を受け、全医労や原告団、弁護団は、同センターに対して特殊業務手当復活に向け組合と協議するよう求めています。


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