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2025年4月5日(土)

韓国 尹大統領を罷免

憲法裁全員一致 「非常戒厳」は違憲

 韓国の憲法裁判所は4日、昨年12月の「非常戒厳」宣言で国会から弾劾訴追された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(64)を罷免する決定を言い渡しました。裁判官8人が全員一致で重大な違憲行為と断定しました。尹氏は即時失職し、憲法の規定により60日以内に大統領選が行われます。

 韓国大統領の罷免は2017年の朴槿恵(パク・クネ)元大統領に続く2人目。保守系の大統領が2人続けて罷免される事態となりました。

 憲法裁は尹政権の政策が野党多数の国会によって実現を阻まれていた事情に理解を示す一方で、「これは民主主義の原理に従って解決すべき政治問題」だと指摘。「軍と警察を動員して国会などの憲法機関を毀損(きそん)し、国民の基本的人権を侵害し、憲法守護の義務を投げ捨てた」として、「国民の信任に背いたものであり、憲法守護の観点から容認できない重大な法違反行為」だと指弾しました。

 「非常戒厳」宣言を必要とする緊急事態は発生していなかったとして、「(過去の軍事政権による)国家緊急権乱用の歴史を再現し、国民を衝撃に陥れ、社会・経済・外交の全分野に混乱を引き起こした」と指摘。「罷免によって得る憲法守護の利益は、罷免による国家的損失を圧倒するほど大きい」と強調しました。

 尹氏は4日、国民向けのメッセージを発表し、「残念で申し訳ない」と表明しました。

 尹氏は昨年12月3日、国会が行政をまひさせているとして「非常戒厳」を宣言。国会の戒厳解除要求決議を受けて4日に解除しました。国会は同14日に「非常戒厳」宣言が憲法違反だとして尹氏を弾劾訴追していました。

 4日に発表された世論調査によると、政党支持率は与党「国民の力」が35%、最大野党「共に民主党」が41%。大統領選への期待については、政権交代が52%、政権維持が37%でした。


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