しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年3月26日(水)

きょうの潮流

 「苦しみは同じ」。地下鉄サリン事件から30年でオウム真理教の悪行が改めて取り上げられたとき、統一協会の信者2世がそうつぶやいていました▼社会とのかかわりを断ち、現世=外の世界を敵とする教え。閉じられた特殊な環境に置かれ、学校にも行けない虐待。洗脳が解けてからも社会に適応できず、心が壊れていく恐怖…。オウムの信者やその子どもたちの苦悩と人生は、私たちにも通じていると▼霊感商法や高額な献金、集団結婚といった数々の反社会的な行為を続けてきた統一協会に東京地裁が解散命令を下しました。「例のない膨大な規模の被害を生じさせた」として、法人格を与えたままにしておくのは「極めて不適切」だとの判断です▼僧侶らによる霊視商法詐欺で摘発された明覚寺、オウム真理教に続き、宗教法人に対する解散命令は3例目です。要件である組織性や悪質性、継続性の三つを満たすとされました▼母親が信者の人物が起こした安倍元首相の銃撃をきっかけに、不法な組織と被害の広がりが再び注目された統一協会。その謀略集団と長く癒着してきた自民党議員。実態が次つぎと明らかになりながら石破首相は再調査を拒否しています。献金を受けるなど自身も関係を認めているのに▼被害者ら有志は大きな一歩としながら、これが新たな被害者を生まないことではないといいます。姿かたちを変えた反社会的な集団と、それにくっつく政治にどう終止符を打つか。同じ苦しみをくり返さない社会をつくるために。


pageup