2025年3月20日(木)
きょうの潮流
49回を数える抗議のデモや学習会。今も街中に響く「オウム反対」の声。東京・世田谷区の烏山地域で活動を続けるオウム真理教対策住民協議会です▼この地域にはオウムの後継団体の一つ「ひかりの輪」が本部を構えます。同協議会は啓発や監視活動とともに、この団体がここにいるかぎり声を上げ続けると。同じく後継の「アレフ」がある足立区入谷地域でも解散するまで戦うと住民らが▼死者14人、6千人をこえる負傷者を出した地下鉄サリン事件から、きょうで30年。オウムによる無差別テロの被害者や遺族は今も後遺症に苦しみ、心の傷を抱えたままです。救済もされずに。遺族のひとりは「30年たっても涙が乾くことはない」と▼坂本弁護士一家殺害、松本サリン事件、公証役場事務長の監禁致死…。次つぎと引き起こしていった凶悪な犯罪はなぜ防げなかったのか▼教団の拠点があった山梨県の旧上九一色(かみくいしき)村でオウムと戦った元共産党村議の竹内精一さんは「防ぐ機会はあった」と本紙日曜版でふり返っています。数々の違法行為を写真付きで警察や行政に通報したが、手を付けなかった。地下鉄の事件が起きる前に警察はオウムの施設周辺からサリンを検出していたはずなのに、と▼烏山区民センターで催されているオウム関連のパネル展。それに見入る若者がいました。よりどころをもとめる心につけこみ、洗脳していく恐ろしさは今も。悲惨な事件を風化させない。命を奪うこともいとわない、オウムの教訓を伝えていくために。








