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2025年3月20日(木)

「負傷者の命救えない」

機器も薬も不足 ガザの医師訴え

 【カイロ=秋山豊】パレスチナ・ガザ地区で18日、イスラエル軍の大規模攻撃による大勢の負傷者が病院に搬送されました。北部ガザ市のシファ病院のムハンマド・アブサルミヤ院長が本紙の取材に、医療体制が崩壊した状況下で、「負傷者の命を救えない」と窮状を訴えました。

 院長は「手術室の受け入れ能力に比べ負傷者が多すぎて、手術する患者の選別という苦しい決断を余儀なくされている」「医療機器や薬が不足し、負傷者を救えなかった。麻酔なしでの手術も余儀なくされている」と述べました。続けて「遺体安置所はもはや犠牲者を収容できなくなっている」と語りました。

 ガザの保健当局によると、イスラエル軍の18日の攻撃で少なくとも404人が殺され、562人が負傷しました。保健当局は緊急声明を出し、輸血用の血液が枯渇したとして住民に献血を訴えました。

 ガザの医療体制はイスラエル軍が1年3カ月も続けた攻撃により、すでに壊滅的な打撃を受けています。医療従事者も大勢殺され、検問所の封鎖で医療物資も深刻な不足に陥りました。イスラエルは1月に合意した停戦の第2段階入りを拒み、3月2日以降、医療物資を含む全ての人道支援物資の搬入を阻止しています。

 ガザ市在住のジャファさんは本紙の取材に、18日の空爆で親族15人を殺され、「私たちはイスラエルに焼かれ、絶滅させられようとしている。この地獄をとめて」と訴えました。南部ハンユニスに暮らす別の女性も子ども2人の命を奪われ、「私たちはハマスではない。民間人だ。イスラエルはなぜ私の子どもを殺したのか」と怒りました。


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