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2025年3月19日(水)

きょうの潮流

 元米大統領のオバマ氏が在職時に中国訪問したときのことです。同行した商務長官が忘れ物でホテルの部屋に戻るとスーツ姿の男性2人に机の上の書類をチェックされていたそうです▼侵入されたのにオバマ氏らは公式会合の席では抗議しませんでした。理由の一つをオバマ氏は回顧録で語っています。「こちらも中国に対して十分にスパイ行為をしていたので」(『約束の地』集英社)▼「盗聴クラブ」とも呼ばれる枠組みがあります。「ファイブ・アイズ」です。傍受した通信情報などを米英豪、カナダ、ニュージーランドが共有する仕組みです▼英米の諜報(ちょうほう)機関に50年間勤務しファイブ・アイズに携わってきた元軍人が自身の体験を本にまとめています(『ファイブ・アイズ』作品社)。多くは諜報活動を擁護する内容ですが、そんな著者も2003年のイラク戦争には怒りをぶつけています▼ファイブ・アイズはイラクと国際テロ組織アルカイダとの接点を見つけることができませんでした。それなのに戦争を正当化した当時の米国務長官の国連演説を「悪く言えば虚偽」。英国に対しては「同盟国への忠誠を保ちたい一心で…インテリジェンスを悪用」と▼イラク戦争で失墜した米国の威信。こんどはウクライナ侵略でロシア寄りの姿勢をみせるトランプ大統領の登場に、米軍準機関紙「星条旗」も「『米国第一』政策は『米国孤立』を意味する」(12日付)。世界を力で支配する時代は終わりつつあります。あすイラク戦争開戦から22年。


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