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2025年3月18日(火)

きょうの潮流

 「みなさん、政治に愛想を尽かすのは、もうちょっと待ってください」。1997年に放送された三谷幸喜脚本の「総理と呼ばないで」。ドラマの最終回、田村正和演じる「総理」の辞任あいさつです▼政治不信の真っただ中に就任し、消費税率より低い史上最低支持率の総理が側近の不祥事で辞任を決断。当時の世相を反映したコメディーでしたが、いまの国会の状況をみながら思い起こしました▼「総理」は続けます。「政治はあなた方の手の届くところにある。政治家を選ぶのはみなさんだ。首をはねるのもみなさんだ。私はみなさんの力によって今日、総理の座を降りる。後悔はない。これが民主主義なのだ」と▼この頃は短命政権が多く、首相の首を次々とすげ替える。96年の衆院選から小選挙区制が導入され、与党は政権の延命策ばかり考えていたのです▼さて先の衆院選で少数に追い込まれた石破政権はどうか。多数派工作に明け暮れ、一部野党が自民党政治の延命に手を貸しています。一方で、国民の命綱である高額療養費制度の見直しは世論の反発を受けて「凍結」しました。これこそ民主主義の力です▼「総理」は最後にこう訴えます。「少なくとも今回、政治は正しく機能した。私は満足だ。だからみなさん、どうかあきらめないでほしい。希望を持ってほしい。政治を見捨てないでほしい」。商品券問題で支持率が急落する石破政権。首をすげ替えても変わらない自民党の金権政治。それを終わらせるのは「みなさん」です。


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