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2025年3月15日(土)

きょうの潮流

 心やさしき革命家と呼ばれた市川正一は戦前の日本共産党員でした。野蛮な権力によって16年間も獄につながれ、1945年3月15日、宮城刑務所で衰弱死しました。53歳でした▼われわれは日本共産党員であるがゆえに、この法廷に立たされている―。共産主義者を犯罪人とする裁判で市川は決然と反論しました。「国民の8割を占める労働者農民大衆の自由を根こそぎ奪い取り、人民大衆を奴隷の鉄鎖に縛りつける天皇制を打倒することは、何人(なんぴと)に対して犯罪であるのか」▼暗黒の時代、ともに活動した宮本顕治さんは彼の生涯を後にふり返っています。「実に気迫に満ち、戦闘精神に満ち、しかも科学的な光明に満ちたものであった」と▼劣悪な獄中で栄養失調となり、歯を失い食事もままならない状態にありながら、侵略戦争に反対し、人々の生活を守るために断固としてたたかう闘志。一方で親きょうだいに宛てた温かい文面からは、人間への確かな信頼が伝わってきます▼きょうは没後80年。燃えるような熱気と活力をみなぎらせようと全党に呼びかけられているいま、先人の生き方から学ぶべきことは多い。大軍拡へと突き進む政権に対峙(たいじ)する唯一の党の一員としても▼市川は妹家族への手紙にこうつづっていました。「僕等の闘争はこれから先ほとんど予期し得ざるごとき事態の中に継続発展すべきである」。それは語り継がれる、あの言葉へと。「党の発展は必然である。党の勝利、すなわちプロレタリアートの勝利は必然である」


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