しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年3月14日(金)

主張

核禁条約締約国会議

核兵器の完全廃絶 力強く発信

 ロシアの核威嚇に対し、NATO(北大西洋条約機構)が「核抑止力」の維持強化をすすめるなど、核兵器への依存を強める危険な状況が続いています。米トランプ政権の動向も危惧されます。

 そうしたなかで、核兵器禁止条約の第3回締約国会議は最終日の7日、核兵器廃絶への「揺るぎない決意」を表明する政治宣言を全会一致で採択しました。政治宣言が「禁止条約は、この激動の時代における希望の光である」と強調したように、会議は平和への逆流をのりこえる希望と決意を示すものとなりました。

 日本共産党は会議の成功を心から歓迎します。

■「核抑止力」を批判

 宣言は、核兵器の使用とその威嚇を強く非難し、核兵器の完全廃絶を力強く訴えました。とくに、「核抑止力」は「すべての人の生存を脅かすリスク」だとし、核兵器廃絶は「単なる願望ではなく、世界の安全保障と人類の生存にとって必須」だと強調しました。安全保障の視点から「核抑止」克服の重要性を明らかにした報告書が採択されたことも注目されます。

 日本共産党からは、吉良よし子参院議員、笠井亮前衆院議員が参加し、「『核抑止』政策をとることは、軍拡競争をつくりだし、仮に抑止が破綻した場合、全世界にとって取り返しのつかない大災厄をもたらす」として、その克服を強く要請するなど会議の成功に貢献しました。

 会議参加国を勇気づけたのが、日本原水爆禁止被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞でした。核兵器の非人道性を土台にすえた議論、「人道的アプローチ」によって禁止条約は実現しました。広島、長崎の被爆者と世界の核実験被害者の証言が力となりました。

 今回の会議でも濱住(はますみ)治郎日本被団協事務局長代行が演説し、大きな拍手に包まれました。多くの国が演説のなかで、被爆者の貢献をたたえ、政治宣言も「禁止条約の長年の支援者であり提唱者である日本被団協」を祝福しました。

 会議では、ジェンダー視点の活動、条約参加国の拡大、核兵器廃絶の手順など、前回の会議で決められた作業の進行状況も報告されました。とくに、第6条、7条の被害者支援・環境修復のための国際信託基金の設立は、条約の規定を実行する重要な取り組みです。条約の規範性と実行力が着実に高まっています。

 条約参加国はこの間も増え続けて73カ国となり、署名国は94と国連加盟国の半数に近づいています。今回の会議もオブザーバーを含め87カ国が参加しました。禁止条約への支持と参加が、世界の本流であることは明らかです。この流れを押しとどめることはできません。

■日本は先頭に立て

 しかし石破茂政権は、米国の「核の傘」を理由にオブザーバー参加すら拒みました。被爆者はじめ内外から失望と批判の声があがったのは当然です。被爆80年に日本に求められているのは条約に参加し核廃絶の先頭に立つことです。

 日本共産党は、自公政治を唯一の戦争被爆国にふさわしい政治へと変えるために力を尽くします。


pageup