2025年3月7日(金)
核被害者の救済を
平和活動家 支援を訴え
![]() (写真)パネリストの(左から)シルク、下本、マディソン、ハン、シム、濱住、ティトの各氏=5日、ニューヨーク(柴田菜央撮影) |
【ニューヨーク=柴田菜央】核兵器禁止条約第3回締約国会議が開かれている米ニューヨークで5日、核被害の「隠蔽(いんぺい)」をテーマとするサイドイベント「核被害・緊急に被害者救済を―核被害者は訴える」が開かれました。原水爆禁止日本協議会とマーシャル教育イニシアチブが共催し、政府代表含め各国の平和活動家が参加。核被害の実相普及と支援のために力を尽くそうと訴えました。
パネリストの報告で、高知のビキニ被ばく船員訴訟原告団長の下本節子さんは、米国が日本政府との間で政治決着をつけ、補償のないまま放置された船員たちは被害を語ることができなくなったと強調。日本政府に対し、真相究明と核被害者への補償を改めて要求しました。
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の濱住治郎事務局長代行は、核兵器廃絶と原爆被害者への国の償いを求めて国内外で訴えてきたと紹介。「被爆者にとって、核兵器や“核の傘”はきのこ雲以外何もない」と訴えました。
韓国原爆被害者協会のシム・ジンテさんは、原爆投下から80年たったいまも米国、日本の政府から何の説明もないと訴え。米国に対して謝罪と補償を強く求めました。ハン・ジョンスンさん(被爆2世)は、体の痛みなどに苦しんだ自身の経験を話しました。
マーシャル教育イニシアチブのベネティック・カブア・マディソン事務局長は、米英による核実験が繰り返されてきたマーシャルにルーツをもつ人びとの間には、病気や故郷からの強制移住などあらゆる不正義があると指摘。「私たちの声ほど力強いものはない」として、それを力に核廃絶を実現させようと訴えました。マーシャル諸島のジョン・シルク大使は、核被害への謝罪を待っていると述べました。
キリバスのテブロロ・ティト大使は、核実験被害は遺伝子にまで影響するとして救済・補償の重要性を強調し、被害を認めようとしない国を批判。各国に条約への参加を促し、核廃絶へともに取り組みを進めようと呼びかけました。









