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2025年3月7日(金)

きょうの潮流

 特殊詐欺や強盗などの温床となっている「闇バイト」。そこに至る一因にはギャンブルによる借金がある―。「ギャンブル依存症問題を考える会」が警鐘を鳴らしています▼そのギャンブルのうち違法な海外のオンライン賭博が急増しているといいます。カジノやスポーツ賭博をはじめ、若者を中心にスマートフォン一つで手軽に24時間賭けられ、あっという間に借金が膨らむ。国内で346万人が利用しているとする国際カジノ研究所の推計もあり、広がりに驚かされます▼オンライン賭博へのアスリートや芸能人の関与も相次いでいます。卓球の五輪メダリストが罰金の略式命令を受け、プロ野球でも8球団15人が利用したという深刻さ▼日本では競馬、競輪などの公営ギャンブルを除き、賭ける行為は賭博罪となります。海外ではオンライン賭博を合法化する国があるものの、日本からアクセスして賭ければ当然、違法。しかし現実には、日本語版のオンライン賭博サイトが100件を超える野放し状態です▼米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏は、約2年でオンライン賭博を1万9千回くり返し、借金が62億円にまで。いかに人を狂わせるか▼ところが、国の対策はないに等しい。それどころか、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の誘致に躍起となり、スポーツ賭博の解禁まで狙う省庁もあります。やるべきはギャンブルの勧めではありません。新たな法整備など国が実効ある対策に踏み出すときです。


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