2025年2月27日(木)
予算委公聴会 日本被団協代表委員
田中熙巳さんの意見陳述(要旨)
ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中熙巳(てるみ)代表委員が25日の衆院予算委員会の公聴会で行った意見陳述の要旨は次の通りです。
ノルウェー・ノーベル委員会の選考内容を見て、本当に感動しました。全国、世界中を回り核兵器の非人道性を具体的に訴えるという本当に血のにじむような運動で核兵器は使ってはならないという核のタブーをつくりあげ、その成果として戦後80年間実質3回目の核兵器が使われてこなかったことを高く評価したいと。核兵器の使用はありうるとロシアのプーチン大統領が公言するなど非常に危険な状況を立て直していくために日本被団協にノーベル平和賞を授賞すべき時ではないかと考えたのだと思います。
日本被団協の基本的運動は二つあります。一つは、国が起こす戦争により国民への被害が生じた場合、国が責任を負わないといけないと要求し、放射線による健康上の被害や経済的被害について日本政府に要請し補償を求める運動です。二つ目は、核兵器は非人道的兵器で、絶対に使ってはいけないし、作ってもいけないし、持ってもいけないという被爆者たちの強い願いを世界に訴える核兵器廃絶運動です。
原爆被害者への国の責任を求める運動の中で国側は、国をあげた戦争で国民の被害が出てもその被害を受任しなければいけないと公然と法的な文書で示しています。私たちは、原爆の被害は我慢しなければならない被害だったのか、絶対にこれは認められないと今日まで唱えてきました。
国は医療に関する法律などで原爆被害者を援護してきましたが、原爆による数十万の死亡者に対する補償は今まで全くしていません。これからの戦争では必ず多くの市民に犠牲がでます。それでも市民は我慢を強いられる状況に置かれるようでは本当に国を守ることにはならないと私たちは信じています。
核抑止論というのは、核兵器の使用を前提にしており、間違っています。核兵器が使われれば何十万人という死傷者を出し、その被害に対し国が財政的に本当に責任がもてるのかということが大事です。ここ数年国防予算が増え、軍備費の増強を一生懸命考えてるようですが、戦争による市民の被害はどうするかについてはほとんど語られていません。戦争は軍備だけで行われるのでない。これからの戦争は市民の被害が一番大きい。それを市民に我慢させるという国防は法制度上も誤っていることを強調します。








